そんなもん

誰かが言っていた。男は浮気する生き物だと。

アメリカside

最近少し物足りなくなっていた。彼女…日帝がいるけど、最近倦怠期というものが来たのか、会うことも話すことも減った。嫌いになったのかと言われたらそんなことは無い。ちゃんと好きだ。だけど俺は誘惑に勝てず手を出してしまった。

俺は今日、ジャンクフードを食うためマ〇クに来ていた。注文をして食べている時

「アメリカー、何してるんねー？」

誰が聞いてもぶりっ子だとわかる口調で喋りかけてきたのはイタリアだった。

「何って、ハンバーガー食ってるだけだけど」

尻軽を具現化するとしたらイタリアだろう。

なんせ性のことに関しては誰構わず積極的に行くのだから。

「このあと何か予定あるんねー？」

「ないけど」

「じゃあ、一緒にイオの家に行こうなんね！」

そう言って俺の隣に座り太ももに手を置き上目遣いを繰り出すイタリア。最近日帝に無理をさせたくないがために行為をしてなかったため、バレなきゃいいだろう、と思い了承した。

「やっぱりアメリカは上手なんね！気持ちよかったんね」

嬉しそうにそう言うイタリア。本当は嬉しいことなんだろうが、終わってからになって浮気をしたことによる激しい後悔と罪悪感が襲ってきた。そのため、イタリアに褒められても嬉しくなかったし、生返事しか出来なかった。

帰る準備をしてる際、日帝から1件のメールが入っていた。

【今日会いたい】

本当は俺も会いたい。だけど浮気した直後に会うのは気まずいし、何より会ったら浮気がバレてしまいそうで怖かった。だから

【ごめん、今日ちょっとしんどいから】

と返し断った。

家に帰っていざ寝ようとしたら、先程の出来事が鮮明に頭の中で写った。イタリアの本来ならそそるはずの顔も、日帝の眩しいとまでは行かないでも、綺麗な笑顔も、今となってはただただアメリカを苦しませるだけだった。

俺、最低だな

後悔は数時間で消えなかった

日帝side

誰かが言っていた。男は浮気する生き物だと。そんな話を聞いても私の彼氏―アメリカは浮気など不誠実なことはしない自信があった。なぜ過去形かと言うと、最近、アメリカの態度が冷たく感じてきたからだ。前までなら毎晩鬱陶しいくらい電話をかけてきていたのに今となっては週に一回あるかないかだ。それに極めつけには今日のメールに対する返事。今まで少ない誘いを一度も断られたことがないが、今日初めて断られた。理由はしんどいから。今までにこんなことは無かったため、ただただ不安になった