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時間は早朝5時。冬の寒さが頬を刺し、朝日がぼんやりと空を染め始めていた。

高校三年生の サブ は、自室の机に向かい、うっすらとしたクマを宿した目で参考書を睨みつけていた。共通テストまで残り 3日。彼の手元には山積みの問題集と、コーヒーの缶がいくつか転がっている。

「あと3日でこれ全部解けるわけないよなぁ……」

ため息をつきながら、ペンを置く。サブは窓の外へと流れた。そこには、通学路として毎日使っている駅へと続く坂道が見える。

母の声:「サブ、早く朝ごはん食べなさい!電車遅れるわよ!」

現実に引き戻され、サブは荷物をまとめ始める。今日は模試。最後の仕上げとなる試験に向け、彼は全力を尽くそうとしていた。

「うん!わかった!」

返事をしつつも、内心では緊張が募る。

朝の通学路、雪がちらほらと舞う中、サブは駅に向かう坂道を駆け下りていた。頭の中では、数学の公式や英単語が混ざり合ってグルグルと渦を巻いている。

「何が出るんだろうな……英語長文か、それとも数学の図形問題か……」

独り言を呟きながらも足を止めない。

駅まであと少し、という地点で、事件は起きた。

横断歩道の向こう側、信号が青になったのを確認したサブは、急いで渡ろうとした。

だが、彼は気づかなかった。

猛スピードで迫り来るトラックの存在に。

「――っ!?」

次の瞬間、鋭いブレーキ音とともに、視界が真っ白に染まる。

目を覚ますと、そこはどこか異質な空間だった。周囲は暗闇に包まれ、足元には鏡のように反射する水面が広がっている。

「……ここ、どこだ?」

サブは立ち上がり、辺りを見回す。そこに現れたのは、不気味なほど美しい女性だった。

彼女は柔らかい微笑みを浮かべながら、静かに語りかける。

「あなたは、運命に選ばれました。」

「運命……? それって……どういうことですか?」

彼女はゆっくりと手を差し伸べ、言葉を続ける。

「あなたの新しい人生が、今から始まるのです。『アバロン・オブ・ラグナロク』という名の世界で。」

「アンパン……?それって……?」

言葉の意味を飲み込めないまま、サブの身体は光に包まれた。

次に目を開けたとき、彼は異世界の荒廃した王国の地に立っていた――。

第一話 完

参加型 転生者たちの王国※拡散希望

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