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わたしの使命

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わたしの使命

1 - 第1話 epilogue

♥

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2025年02月22日

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紫苑くん。

わたしはさいていだね。

紫苑くんの痛みに気づくことができなかった。

それどころか…

わたしが傷つけてたみたいなものだよね。

いまさら後悔しても遅いのかもしれないけど、わたしは紫苑くんのこと忘れないよ。

それがわたしの使命だから。

紫苑くんを傷つけたわたしの。






紫苑くんと出会ったのは、8年前。



─ねえ、どーしたの?―

声をかけてくれたきれいな男の子。

あの場でたった1人だった。


―なんでもない、です。―

せっかく声かけてくれたのに。

またわたしはこんな返事しかできない。





8年前。13歳のとき。

私の家庭は、ものすごく荒れていた。

元父の暴力が原因だった。

母は夫からの暴力に耐えられなかった。

母が離婚しようと切り出したとき。

父はいつも以上に怒鳴り、暴力をふるった。

母は泣いていた。

わたしはなにもできなかった。

なにもできないのがつらい。

わたしも逃げ出したかった。

母を、守りたかった。

父の暴力はエスカレートするばかり。

わたしも母も大号泣。

だれか、止めてくれ。

母をしあわせにしたい、そう思った。

弁護士や警察の方と話し合った。

大人の中で1人、目をまわすわたし。

母のことをいろいろ頼まれたりもした。

13歳のわたしにはとても荷が重く感じた。

なんとか父との離婚ができた母。

やっと解放された。

もう母のつらそうな顔を見なくて済む。

わたしは母にあやまった。


―なにもできなくてごめん。―


今でも覚えている。

あのときの母を。

なんであなたがあやまるの。

そう言いながら抱きついてきた。

2人で泣いた、たくさん泣いた。

最後は笑った。

顔を見合せて。





𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝

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