東急世田谷線の始発終着駅、三軒茶屋。
そのすぐ傍にあるカフェのテーブルに、
公民科の教科書を手にした、累(るい)とあとりの姿があった。
「問題、国民の中から選任された裁判員が、
裁判官と共に刑事訴訟手続に関与する制度をなんと言う?」
「裁判員制度!成立したのは平成16年5月21日!」
「正解。じゃあ、裁判員制度の対象となる事件は?3つ答えて」
「人に怪我を負わせて死亡させた場合!
自動車で事故を起こして人を死亡させた場合!
子供に食事を与えず放置し死亡させた場合!」
「やるわね。だったら…裁判員のお給料は?」
「1日あたり1万円以内の金額で裁判所が定め、旅費も支払われる!」
「うん、完璧」
「よし! これで公民はバッチリだな!」
草木の緑も次第に濃くなり、夏の訪れを感じる立夏の頃。
少年死刑法から解放された累は、
遅れた授業を取り戻す為に、
あとりの力を借。。。