⚠️📡🧪曲パロ
⚠️シナリオ捏造
ずっと前から書いてたもので、飽きそうになってるのをなんとしてでも完結させるために思い切って途中まで載せちゃいます
どの曲かは当ててみてください!1話目は曲パロ要素少なめです
視点がコロコロ変わるので注意
震える唇から白い息が漏れる
電線さえも絡みきり、混沌としていて歪みきったこの世界を、ただギラギラと照らし続けている大きくて丸い月。
愚かで真っ黒なこの地面からじとりと睨みつけた。
この地球の衛星を恨んでも何も変わらないことは分かっている。しかし、良い意味でも悪い意味でも恨めるような関係値を築いた覚えのある人間なんて、私にはいなかったのだ。
突然記憶を失って起きた先がこの街で、ルールを知るや否や命の優先度が低いったらありゃしない。
どうかしている。この街の人間は皆、狂っている。
まず感じたのがその二言だった。
この街に来てすぐだった為、まだ資金も貯まっていない以上、食料も住宅も買うことができないのだ
そう、今の私は貧乏。
とてつもなく貧乏だった
「……」
人目のつかない建物の裏路地で、壁にもたれかかってズルズルと座り込む。
寒い。お腹が空いた。手が悴んで痛い。眠い。
でも警察には頼りたくない。救急隊にも頼りたくない。
あの人達はイカれている。
私とは意見が違う。それなら避けたがるのも別に自然な行動であるだろうに。何故ああやって、私のことを救いたがるのか。
なんとなくでスマホを開いて、今日新しく電話番号を追加した人達の一覧を眺める
下にスライドして見ていると、ふと、1人の名前に目が止まった
「…レダーヨージロー………」
ヘンな名前だ。
“ヨージロー”…。日本人のような名前で、欧米人のある男。
しかし流暢な日本語を使い、仲間とうまくコミュニケーションを取っている
初めて電話をした時、正直気味が悪いと思った。
だって私の初期のデータしかないスマホに、数人の中の1人として残っていた重要人物なのに
相手も私の事を知らないだなんて
あの人もあの人で私と同じようにすっぽり抜けてるんじゃないか?記憶が。
「……ほんとうに、何もかもくるっている、………」
そう呟いたその時だった。
「へぇ、俺が?」
一瞬目の前に影ができたかと思えば、ぬるっと上から降りてきて見事に目の前に着地。
真っ黒のバゲットハッドが特徴のあの男が、私の前に立っていた
いきなりすぎる状況にぽかんとしていると、私より背丈の高い彼が顔を覗き込むようにして屈む
「ずっと探してたんだよお前のこと。やっと見つけた」
あまりにも真っ黒で不気味なその瞳に引き込まれそうになり、思わずふいっと目を逸らす
「…私は何か気に触ることをしてしまったでしょうか」
「いや?なんも?ただ俺が興味を持っただけ。気になってたんだよね。電話もらったときから」
「新手の告白ですか?帰ってください。期待に応えられるような事は、何もできませんよ」
「なにも期待してないからいいよ。ぐち逸、俺と一緒に来ない?」
「………一言余計です。行きません」
ただでさえ元気がないってのに。勘弁してくれ。
赤の他人に私の心を土足で踏み躙られているような気分だ
「なんで?俺知ってるよ?お前今金も頼れる人もいないんでしょ?ならウィンウィン、いい関係築けると思わない?」
そのまん丸の大きな瞳が弧を描くようにして三日月の形に歪む。
ニヤニヤ笑いながら私の腰を掴み、無理やり車に乗せようとするのを必死に抵抗しながら、彼の様子を伺った
この人は、私の事なんて思っていない。
表情が見えただけでそう思った。そう確信した。
親切心なんて1ミリもない、ただ自分の欲望に忠実になろうとしている彼は、まるで狂気の悪魔のようだった。
「まぁいいから楽にしといてよ。寒かったでしょ」
「…何故ここまで…」
「だからお前に興味を持ったからって言ってるじゃん。何?そんなに変なこと言ってる?
「言ってます。興味を持つならまず親しくなる事から始めるでしょうに。色々飛ばしすぎです」
「ええ〜……時間かかるじゃん」
「そういうもんなんですよ」
私をフカフカの紺色のソファにほぼ無理やり座らせ、温かいコーヒーが入ったカップをもらってからレダーさんもその隣にどかりと座った
「…で、俺がお前のこと気に入ったらさぁ、一緒にここで住まない?」
「……はぁ?何を言ってるんですか」
「いや、だから。ウィンウィンでしょって?俺はお前のこと沢山知れる。お前は住む場所に困らない」
「………」
「お金貯まったら出ていっていいからさ!ね?その判断材料として今から沢山話そうよ。お前が言ってた通り、段取りを取ってね」
「………」
キュポンと音がしたかと思うと、高そうなワインをコップに注いでぐいっと飲み干した。
…本当に、これから語り合うつもりなのだろうか
いや、でも家賃を払わずにここで住めるというのならば、彼の性格が相当捻じ曲がっていない限りシェアハウスという認識で住むのもアリなのかもしれない。
この交渉、もしかして結構良いものなのか?
「…分かりました、私も貴方と少し話してみたい」
「あぁ本当?いいよ、沢山話そうね」
「んん〜……れだぁさ…」
ぐち逸も飲むかなと思ってワインを一杯注いで話していると、みるみるうちにその量は減っていき、飲んだ本人はもうすっかりベロベロに酔っていた。
「ぐち逸〜?まだ1時間しか経ってないよ?はやくなぁい?」
「れだーさ〜…?んふふ、れだぁさ〜ん笑」
「なぁにって。俺の名前そんな好きなの?」
「好きですよ。あなたは面白い人だ」
「あぁそう……それは良かったよ…………」
へらりと笑ってまた一口ワインを頂く。
白くて綺麗な肌が酒のせいで紅く染まっていた
これから質問をした時、酒に酔って変な判断をされても困る。水の入ったペットボトルを渡してぐち逸に飲ませた
しかしここに連れてくる前のぐち逸からは想像できないような柔らかい笑顔を向けられて、思わず胸が熱くなった
……こいつ、可愛い。あぁそう。こんな顔も出来たのか
俺に多少のトークスキルがあって良かった。
ドッと心の中の腹黒い感情が湧いてきて、隠れていた支配欲がみるみるうちに這い出てくる
俺以外にこの綺麗な顔を見せたくない
がしりと細い腕を掴んで、小さなこいつを引き寄せた
「ぐち逸、俺のコイビトなってよ。ね、お願い」
「…ん、恋人、ですか」
「そ。コイビト。俺お前のことすっごい興味ある」
「でも私は恋人と言えるような感情を貴方に対して持っていませんし、なによりまともに話したのは今日が初めてでしょう。何でそんなに、…私に執着するんです」
「本当に、さっきから無性に欲しいんだよね。お前が。ここで会ったのも、ぐち逸のスマホに俺の名前があったのも、俺がお前に興味を持ったのも、何かの縁だと思ってさ」
「………」
「ね?どう?俺のコイビトになってくれたらずっとお前のこと守ってあげる。」
酔いが冷めてきたのか呂律が回り始めたぐち逸に、先程会った時のようににっこりと笑いかけた
一旦ここで区切らせていただきます!
割と犯罪的な場面で区切っている自覚はあります
出来るだけ早く更新するのでしばしお待ちを🙇♀️
もらったリクエストの方も同時並行して書いているので、そちらももう少し待って頂けると幸いです!💦
割と有名な曲なので分かった人はもう分かってしまったかも!
曲バレしてしまうと展開もバレてしまう可能性があるのであまり悟られないように曲要素をめちゃくちゃ薄くしてしまいました。
それでも分かった方は心の中で🤫
ヒントを言うとボカロ曲ではないです!🙌
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