私は面白い子。馬鹿な子。みんなの人気者。なんで?私は傷つかない優れものだから。でも、もし私もみんなと対等に笑い会えたら、その点で、私は彩芽が羨ましくて仕方がなかった。舐められもせず、怖がられもしない、ちょうどいいあの具合。本当に、殺してしまいたいぐらい。
「律、ほら、はよ」
彩芽は私にそう言った。何でも持っているお前が、なんで手を差し出すの。隣で歩こうとするの。信じられない。私は強く歯ぎしりをする。みんなの前で無理せず笑顔でいられるお前が、彩芽が、私の隣を歩いていいはずがないんだ。私を理解していいはずがないんだ。
何もかも上手くいかない。全く上手くいかない。お母さんもお父さんも煩いんだ。
ああ救われない。いっその事……
死のう