??「…あら」
??「追い出したペットに、お嬢様と呼ばれる筋合いは無いわ」
??「…そうね」
??「最近どう?上手くやれてるかしら」
??「まぁ、追い出した原因は私なんだけどね」
ky「…」
お嬢様「…」
お嬢様は、パチンと手のひらで俺の頬を叩きつける。
ky「う”っ!?」
お嬢様「上の存在である私に、シカトするなんて」
お嬢様「何様のつもりかしら?」
ky「…俺は、お嬢様が率いる館はもうでたはず」
ky「赤の他人に、上や下の差別を言われる筋合いはありません」
お嬢様「…ふふっ」
お嬢様「言うようになったじゃない、ky」
お嬢様は、俺の顎をくいっと持ち上げる。
ky「う…」
お嬢様「でもね、ky」
お嬢様「執事の貴方が、お嬢様である私の立場に逆らえることは許されないの」
お嬢様「たとえ、館からでてもね」
ピンク色の瞳が、俺を見つめている。
俺は目をまん丸にしてお嬢様を見つめた。
お嬢様「仕事してるとき、私の紅茶に毒が注入されていた事件。覚えてる?」
お嬢様「あれ、部屋に残っていた貴方が犯人扱いされていたけど」
お嬢様「どうせ、同僚のササキに罪被せさせられたんでしょ?」
ky「…!?」
ky「わ、分かっていたのですか?」
俺は思わず驚いた。
お嬢様が言っていたことは、全て当たっていたから。
お嬢様「あら、当たっちゃった?笑」
ky「でも…どうして俺を」
お嬢様「その時はまだ分からなかったから」
お嬢様「すっきりしたわ、ずっともやもやしていたの」
お嬢様は、俺の腕を掴む。
お嬢様「そうと決まれば、話は早いわ」
お嬢様「館に戻りましょう、ky」
ky「でも…」
お嬢様「拒否権はないから…ね?」
お嬢様は俺の腕を掴む。
そのとき、コンビニの自動ドアが開いた。
fj「…ん?」
お嬢様と俺の存在に気づくと、fjは迷わず俺に駆ける。
fjは俺の片手を掴む。
fj「誰?」
fj「汚い手で触んないでくれる?」
お嬢様「あら、kyのお友達?」
fj「いいからその手離せよ」
俺は、お嬢様の腕を振りほどきfjに抱きついた。
ky「ふ、fjさん!助けて!」
fj「よしよし、もう大丈夫だから」
お嬢様「…ふーん」
お嬢様は、fjをじっと見つめる。
お嬢様「貴方のペット、ずいぶんと懐いているのね」
お嬢様「捨て犬かしら?」
fj「…さっきからうるせぇよババア」
fjは、お嬢様を睨みつける。
fj「消えろ」
お嬢様「あら、ババアっていうほど歳いってないんだけど」
お嬢様「…まぁいいわ」
お嬢様「面白いもの見えたし、今日は帰るとしますか」
お嬢様「じゃあね、ky」
お嬢様は、背を向けて俺に手を振った。
ky「…」
俺は、その場で尻もちを着いた。
ky「はぁ…」
fj「誰?あのおばさん」
ky「前の館で出会ったお嬢様です」
ky「俺を捨てた…人」
fj「ふ〜ん…お嬢様ね」
まだ体は震えている。
連れていかれて、変な店で働かされるのかと思って。
ky「…ありがとうございます」
fj「ん」
俺は、fjと一緒に帰り道を歩く。
ky「…」
_________約11か月前。
ky「んー!んー!!」
お嬢様「ky」
お嬢様「私はね、本当のことを言って欲しいの」
ky「んー!!!んー!!」
お嬢様「あ、口にテープ貼ってるから喋れないよね」
お嬢様「ごめんね、今外すから」
ky「はぁ…はぁ…」
ky「お、お嬢様…」
お嬢様「それで?本当は?」
お嬢様「館を勝手に出たのか、出てないのか」
ky「で、出ました!館を出ました!」
お嬢様「どうして勝手に出たの?」
お嬢様「だめって言ったでしょ?」
ky「ご、ごめんなさい!」
ky「本当に、反省しています!」
ky「だから…」
ky「だから…あれだけは!」
お嬢様「入ってきていいよ〜」
お嬢様はドア越しに大声を上げた。
すると、ガタイのいい男達が部屋に入ってきた。
「へ〜、こいつか」
「可愛い顔してんねぇ」
「…殴りがいがありそうだ」
「好きなだけ殴っていいの?笑」
お嬢様「えぇいいわよ」
お嬢様「ただ、殺さないようにね?」
「りょーかーい」
ky「そ…んな…」
お嬢様「ky、これはいじめではなく教育なのよ?」
お嬢様「もうしないように、このお兄さん達が教えてくれるからね」
ky「い…嫌…」
「じゃ…」
「俺らのストレス✕✕✕として、いい声あげてくれや笑」
ky「い…」
ky「いやぁああああああ!!!!!!!!!」
______
ky「…っ」
俺は恐る恐る、fjの右手を掴んだ。
fj「ふっ笑…何?」
ky「…い」
ky「嫌…ですか?」
fj「ん〜ん、繋いでていいよ」
fjの右手をぎゅっと握る。
ky(心が暖かい)
ky(さっきまで、凍るほど冷たかったのに)
fj「…」
fjは、俺の顔を見つめる。
fj「ふふっ笑、可愛い…」
fjは、俺の後ろに手を回した。
唇に柔らかい感触が、3秒ほど続く。
ky「あ…」
fj「誰も見てなくて良かったね」
ky「…ふ、fjさん」
fjは、俺の左手を掴む。
fj「帰ろう、ky」
fj「…返事は?」
ky「!」
ky「はい…!ご主人様」
俺は、fjと一緒に暗い帰り道を歩いた。
コメント
2件
続きだー! お嬢様やっぱりクズじゃん! fj来てくれてよかった! これからも守ってください!
fj もっとやれ (自主規制)しろ ガチで あとお嬢様(クソ)の見た目勝手に想像したんだけど本当にぶりっ子でデブなお嬢様なのかな……