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入学して三日が経ったある日の事。
日光達は学院の近くの森で実戦をさせられることになった。実戦といってもそれは学院の管理範囲なのでそこまで強力な闇はおらず、学院にとっては生徒たちの現状の実力を見る重要な機会だった。
「では生徒の諸君には説明を受けたとおり闇と実戦形式で戦って貰う。なお他者との争いが無いように。それと学院の敷地内だからと言って油断する事はないように以上」 そう言われたあとに、学院の職員だと思われる者達が綺麗に並んだ生徒達に何か石のようなものを配っていった。 「何だ?これ?」この言葉で学院全体はざわつきに包まれていた。日光もその内の一人だった。 「僅かに感じる事で言えるのは何らかの才の痕跡がある、ということだ」緋風は配られた石を自分の目に近付けたり遠くしたりしてまじまじと石を見つめていた。 「へぇ~、俺には全く分かんねー」 「静粛に」その途端、会場は一気に静まった。 「それには才の力が込められており、この実戦形式訓練の実施中の二時間は作動し続ける。訓練実施中にその石を割った場合、そこでその者の訓練は終わりだ。石を最後まで割らずに所持していた者はこの訓練の成績が満点となる。」これは簡単と思わせるために闇との戦いについては言及していない。緋風と日光はそう思っていた。 「それとなるべくルームメイトとの連携をするように。」そう告げられた後、早々にペアで森へ入っていく者達と作戦を練るためにまだここに留まる者達と半々くらいだった。日光と緋風もまだここに留まっていた。 「協力をするようにと言われたということはそれなりの敵がいるかもしれない。お前もそれくらいは分かるだろう」緋風はいつもに増して冷静で真面目な顔をしていた。 「あぁ。ここでの苦戦は当たり前になりそうだな 」日光は苦い顔をした。
「制限時間がある、さっさと行くぞ」すっと立ち上がって早めなスピードで緋風は森の方向にあるきだした。
それを追って日光も森へと歩みを進めた。
つづく