夏の終わりを君たちで。
⚠
途中で視点が変わります。
誤字脱字があるかも。
文がおかしい。
秋の少しばかりの肌寒さを感じる。自国よりもずっと涼しいここに居心地の良さを感じた。くるりと見渡せば、 ベトナムとインドが喋っている。珍しいとパラオは思った。なんも関連性が無いような三国で、実際あまり仲がいいかと言われれば顔を見合わせて普通と答える程で。夏が消えかけたこの時期がいいのだと、伝えたあの国に会いにいただけの関わりが無いような国同士だ。
羽田空港のホール。いろいろな人が通っていく。
スーツに、スーツに、あっちにもいるー!
背の低いパラオが指を指せばベトナムは不器用な顔を少し緩ませながら人に手を指すな。と、注意をした。ガラリとした半個室のようなラウンジに入り景色を見る。日本が迎えに来てくれるからと用意してくれたインドとベトナムとコーヒーを飲みながら空を見上げた。 大きな窓から入る太陽が何時もより優しくきらりとした笑顔で微笑んでいて、空はずっっと透明に伸びている。薄く広がった雲が恥ずかしげにする山を隠していた。飛び立っていく大きな飛行機に興奮しながらいつもと同じようでまったくちがう全く違う世界にいる感覚が楽しくまだ姿の現さない日本に心を踊らせた。
パラオの手荷物は大きなスーツケースと可愛く青色のリボンが着いたテディベア。飛行機に乗った時、お姉さんが渡してくれたものだった。それをぎゅっと落とさないよう、両手で抱え込む。シンガポールに1度経由をすると言う珍しい、ルートを使いながら三国で来た。数時間の時間を少しばかり無駄にしたフライトで少しばかり仲良くなったと思うのだ。後ろからころころと笑う声がする。見つめる視線の優しさに振り向き椅子から飛び降りた。
「!!内地。」
大切に抱え込んでいたテディベアをおとしたのにも気付かず日本に抱きつく。何時もなら許してくれないようなこんな無礼に日本は頭を軽く撫でながら、こんにちは。と神がくれた真っ黒な目を細め、いつもどうりの挨拶をした。いつの間にか昔よりも伸びた身長を感じながら日本の胸にスリスリと頭を押し付けた。ベトナムとインドも三国のときだったら見せてくれないような顔で、ニコニコしていて何だか暖かくて甘かった。甘い砂糖にでもなったみたいに身体がぐわりと溶けてしまいそうで、心地の良い太陽が少し羨ましそうに日を弱くした。
「早速で申し訳ありませんが家に向かいましょうか。」
凛とした甘い声が脳を飽和する。するりと抜けられた抱擁に目をぱちぱちとしていればテディベアが拾われ手に戻ってくる。大きなスーツケースをベトナムに取られて、にこりと笑った日本さんの手を握った。
「大きな入道雲ですね、!ふふっ。」
車に乗り走り始めて約30分。大きな空が肌をなぞる。真珠のような入道雲が先に先にと、並走していて。愉しげに笑う人々が見える。くわりと欠伸をすればインドは笑って寝ればいいと勧めた。
「まだ、時間がかかりますから。お疲れでしょうし寝てても構いませんよ。」
そう聴こえてからパラオの意識は白い蝶と遠のいてしまった。
着いた、着いた。とベトナムに起こされる。よく見た趣きある日本家屋。虫の声が鼓膜を揺らした。ここは何をしても何があっても静かで人もいない。桃源郷だ。とどことなく興奮したようなベトナムを見つめては先に見つめた。
お茶が置かれる。ありがとうございます。と返事をしてごくりと一口、口に含んだ。
これなぁにー?パラオの幼い声が反響する。ネットに包まれた薄くて丸い硝子達を差し出しじゃらじゃらと音を出してはきらきらと笑った。
「気になりますか?遊び方を教えます。こっちに来なさいな。」
隣に座った日本にパラオがとてとてと音を鳴らしながら来るのを見る。ベトナムも興味ありげに近づいて、机を挟んだ日本の前に座る。愛らしい孫でも見るかのような慈悲に溢れた笑顔はきっと日本さえも気づいていないインドだけが見たものなのだろう。
「これは色々な使い方があるのですけど、ーーーーー。ー〜〜、!〜〜。」
有名な遊び方の一つを教えてくれた。指で一つおはじきを弾き、他のおはじきに当てる。その当たったおはじきに指が一本するりと通れば良いらしい。基本的にはそんな所。ちょっとずつ違うかもしれないが大体そんなもの。簡単にやり方を教えながらやろうと提案する。
ずっと続いてしまう。壁にかかった時計を見る。知らぬ間に時間が溶けていた。やり始めて気づいたことだがこれは難しい。力加減を間違えれば上手く当たらない。結局どれだけいけるがやってみればベトナムが1番上手かったりした。だらだら夢中になって遊んでいたら雲が曇り始めた。雨が近づいてくる。買い出しに行かなければ食材がないと呟いた日本を見て遊びを中断し、買い出しに行くことを提案した。
ねぇ、あれ買っていい?パラオがインドの袖を引く。視線の先には甘そうなお菓子が写る。別にいいと思う。そう返せば買ってくるとレジの方へ向かった。
数日分の買い物を済ませたインドたちは車に乗り家まで帰っていた。
「ただいま。」
雲がだいぶ厚くなり、昼間見た太陽はひっそりと姿を消していた。手伝いを頼まれてビニール袋を両手に持ち冷蔵庫まで持っていく。
「あちらもお願いしていいですか?」
胸の中にある知らないはずの懐かしさを覚えながら縁側の木でできた雨戸を閉めた。
ザー。外から音がする。雲が泣き始めちゃったね。なんて言ったら日本は微笑みながら言った。
「きっと皆さんがにうちに来てくれて嬉しくて泣いてるんですよ。」
そんな事ないんじゃないかな、。言葉は続かず雨の音でかき消され消えていく。手を握った言葉は澄んでいた。
結局全部雨なんてなぁ、〜。来る前とは違う天気を出す天気予報に笑うベトナムを見る。
「すみません。もっと下調べをするべきでしたね。」
ぺこぺこと頭を下げる日本に頭をあげてと言った。色々教えて貰えたしいい体験になったからいいのだと。くるくるとレインコートを来て遊ぶパラオを捕まえて空港まで行く。ここからは各自解散だ。少しばかりの寂しさと多大なる安定感に身を寄せながらうちへと帰った。
コメント
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夏の表現が上手すぎるし文才の塊すぎる…