スポットライトがきらきらとステージを照らす
人々は歓声をあげ、涙を流し、拍手を響かせる
…あぁ…
観客達は『裏』を知らない
僕達が蹴落とし合ってこのステージを目指しているのも
優しさを唄って冷たいことを囁いているのも
彼らは知らない、ただ『表』を見て優劣をつける
でもいい
マスクとメガネをつけてタクシーに乗る
…人気者は大変だ
だってこうしないと「あの○○さんですか!?」って大騒ぎになるんだから
数分間景色を見たり、スマホをいじったりしていると目的地に着く
タクシーに軽く礼を言い、マンションの古臭い階段を登る
キィキィと登るたびに耳が痛い音が響く
…耳を塞ぎたくなったが、やめておいた
???「…!?あっあの!」
女性の興奮した声が後ろから聞こえる
…振り向いてみると息を荒くした黒髪の女性がこちらを見ていた
顔を見て確信したのか叫びに近い声で彼女は言った
???「合計100件もの事件を解決した…あの柊(ひいらぎ)さんですか!?」
柊 和音(ヒイラギ カズネ)
合計100件もの多種多様な事件を解決した探偵の名…
和音「…そうですが、何か?」
無愛想に答えたが内心は嗤いが止まらなかった
きっとこいつも僕に狂ったように歓声をあげるんだ
有名人に会ったとなればこいつも有名人になれる…人間社会とはそんなものだ
…彼女は思った通り、僕に近寄り握手を求めた
これが、小さいながらの大きな分岐点だった
続く
コメント
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語彙力欲しいって言いつつお前の方が語彙力あるじゃんふざけんな(?)
えっと好き(((告白すんな
ゴイーリョクカシナーサイ