サブたちは、まどかを匿う決意をしたが、その後に待ち受けるのは、常に危険な立場にあることを意味していた。王国では、王や貴族の命令に逆らうことは命取りであり、アレクシス宰相には慎重でなくてはならない。
そのため、サブは、まどかが生きていることを秘密にするため、アレクシス宰相に嘘をつく決意をした。
「どうしよう…俺、宰相に言うべきかな?本当のこと。」
サブは、足音を立ててアレクシス宰相の屋敷に向かう途中、頭を抱えて考えていた。
「ふふ、言わなきゃいいんじゃない?」
みりんが茶化すように言うと、サブは疲れた表情で彼女を見た。
「だって、さ。まどかを殺したことにして報告しないと、あの宰相がどう出るか分からないだろ。」
萌香も少し不安そうに言葉を続ける。
「でも、ほんとに殺してないから…どうやって嘘つくの?」
レイスが冷静に言う。
「まあ、嘘は得意だろ?あんた。」
みりんがにやりと笑う。サブは深いため息をつき、重い足取りで宰相の屋敷に到着した。
扉が開かれると、アレクシス宰相が机に向かって書類を処理していた。彼はサブたちが来るのを予期していたかのように、ゆっくりと顔を上げる。
「ふむ、君たちか。さて、報告は?」
サブは少し緊張しながらも、言葉をつむぐ。
「はい、宰相様。まどか討伐を完了しました。」
アレクシス宰相はその言葉をじっと聞いてから、冷ややかな目をサブに向けた。
「ほう。そうか…」
その一言が、サブの背筋を凍らせた。
「まどかは死んだんだな?」
サブは一瞬沈黙したが、みりんがすかさず口を開いた。
「ええ、完全に討伐しましたよ。すごいことになったんですよ。まどかが最後に言ったセリフ、知りたい?」
サブは慌ててみりんを止めようとしたが、すでに彼女は話し始めていた。
「『サブ、これだけは覚えておけ!』って言って、サブがそれを聞いている間に突然魔法で自爆して死んじゃったんです!」
サブの目が点になり、アレクシス宰相もその奇妙な話に少し困惑した表情を浮かべた。
「…自爆?まどかが?」
サブは必死に頷きながら言った。
「ええ、そうなんです!もう、どうしようもなくて。爆風でみんな吹き飛ばされて!」
みりんが嘘を重ねていく中、サブは心の中で焦りを感じていた。もしこれがばれたら、全員が危険にさらされるだろう。
だが、アレクシス宰相は一瞬静かに考え込んだ後、じっとサブを見つめた。サブはその視線に圧倒され、思わず目をそらす。
「ふむ、ではその話が本当だというのなら、証拠を見せてもらおうか?」
その一言に、サブは心臓が止まるかと思った。証拠…そんなもの、どこにもない。
「そ、それは…」
すると、まさかのタイミングでみりんが大きな声で言った。
「証拠ですか?もちろん、爆風で爆破された場所にあるものが証拠として残っているんですよ!まどかの使ってた魔法道具とか!」
サブは必死に顔を引きつらせていた。
「え、そうだ!確か残っているんだ!」
すかさずサブはうなずく。だが、アレクシス宰相の冷たい視線が鋭くなる。
「本当に、そんなものがあるのか?」
サブは心の中で祈るような気持ちで、「そう、もちろん!」と力強く言った。
「…それでは、後日確認してみるか。」
アレクシス宰相の冷徹な言葉が響き、サブはその言葉にどう反応すべきか、わからなかった。だが、彼の一言が一層の緊張を生み出し、サブは改めて心を決めた。
この嘘が、果たしてどこまで続くのか。
コメント
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最高ぉぉぉぉぉ さてはお主天才か?w
僕が自分のこと嘘つきって言うとるからなのか設定に書いてないのに嘘つき要素いれてんの最高