コメント
1件
わぁぁ何回読んでも好きです ループみたいな感じでもうほんとにありがとうございます
「おはよぅ、けぇく、」
「おはよう、よく寝れたか?」
優しく微笑み、僕のためにいれてくれたであろうコーヒーを渡される。…さすがに自意識過剰すぎたか。熱かったため口を尖らせ息を吹きかけていると、彼にコーヒーを奪われてしまい、寝室から出ていってしまった。
ネガティブな思考に行こうとしたところで彼が寝室に帰ってきた。そして奪われたコーヒーが僕の元に帰ってきたと思ったら、コップの中にはコーヒー、ミルク、そして氷が数個入っていた。
彼の不器用なのか器用なのかよくわからない優しさの見せ方がとてつもなく好きだ。
「熱そうにしてたから。氷入れたんだけど…」
「んふふ、ありがとう」
感謝を述べた瞬間見えないはずの犬の耳と尻尾をぶんぶんと振っている気がする。その姿が可愛くて、彼の頭を撫でてやる。余程うれしかったのか頭を手のひらに擦りつけてくる。そのまま目元から頬、首にかけて全体的に撫でる。景くんはこの方法が1番好きだ。
ほら、気持ちよさそうに蕩けた笑顔を見せてくる。するとコクリと首を動かし、眠たそうな顔をする。1つ彼に提案をしてみる。
「2度寝、する…?ほら、おふとんおいで」
「ん”ー、…けど今日、とーじろーと一緒に映画、みるって…」
「もういっかい寝てからみよ?」
そう言って布団の中に招き入れる。ずっと唸っているためあとひと押しかな、とか思ってたら布団の中に潜り込んでくる。
顔を僕の胸板に押し付け、すりすりと擦り寄ってくる。幸せそうな顔がとてつもなく可愛い。昨日はあんなに獣のような瞳をギラギラさせて、腰を振っていたのに。これがギャップ萌えというものか…とか思いながら眠りにつく。
この幸せがずっと続きますように。
「…ぁ、起きちゃった……けぇくん?」
隣を見ると居たはずの景くんがいない。
どこに行ったのだろうと思い、起き上がって部屋を見渡す。寝室にはいないため、リビングに行こうとする。と、目の前が歪み頭痛がし始める。いたい、つらい、景くんはどこ?いろいろな不安が押し寄せる。
そんな中、何かを思い出そうとしてるのか、さっきよりも強く、辛い頭の痛みがガンガンと波打ってくる。頭の中に浮かぶ記憶は、景くんの帰りを待ち望んでいる中通知がきて、通知を確認したら絶望。景くんが亡くなったって。信じたくなくて、すぐ薬に手をつけて…。嗚呼そうだ。薬を飲んでハイになっていたんだ。だからいないはずの景くんが見えていたんだ。
ベットの上で座り込み、また薬に手を出す。また景くんに会えるように願って、飲みたくもない薬を胃に無理矢理流し込む。
このまま死ねたらな…。なんてネ