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本気にさせたい恋

25 - 第25話  夢のような特別な夜②

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2024年09月16日

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「早瀬くん。起きれる?」


すると、また彼女の声が。

また夢?

半信半疑でうっすら目を開ける。


「おかゆ作って来たんだけど、少しでもいいから食べれる?」


すると、おかゆをわざわざ用意して、やっぱりオレの部屋にいる彼女。


「・・・え、作ってくれたんだ」


やっぱり夢じゃなく現実だと認識して、ゆっくり起き上がる。


「とりあえずおかゆだけでも食べて薬飲んで」


テーブルに置いてあるおかゆを見て、ベッドから出て座り直す。


「はい。今温めて来たとこだから、少し熱いかもだからちゃんと冷ましてね」


そう言いながらおかゆを取り分けてくれる彼女。


いや、やっぱこれ夢だよな。

オレの為におかゆ作ってきたとか嬉しすぎるんだけど。

こんな憧れたシチュエーションを目の前で彼女がしてくれてるとか普通ありえないだろ。


「あ、あぁ。ありがとう・・・」

「風邪・・・元はと言えば私のせいだろうから・・・」


すると申し訳なさそうにする彼女。


あっ・・そっか。

あの時彼女のそばでずっと寄り添って寝てたから風邪ひいたのかもか・・。

いや、でもあれはあれでオレ的には幸せな時間だったし、なんてことないんだけど。


「私、酔っぱらった日・・・あの日ベッド借りちゃったから・・・」

「あぁ・・・。いや。あのまま放っておけなかったし。女性をいい加減な場所で寝かせられないから」

「ごめん・・・」


謝ることなんてないのに。

オレがしたくてしたこと。

オレはあなたが眠る姿をずっと見つめられて幸せだったし、オレのベッドでそんなあなたが寝てくれたなんて、それほどたまらないこともないし。


「ホントは責任感じてほしくなくて違うって言おうかと思ったけど・・・。でも、わざわざ来てくれたんならいい機会だしこの借り、返してもらおうかな」


きっとこの人はこうやってオレが風邪ひいたって知ったら責任感じると思ったから。

だから。もしそういう状況になっても出来ることなら知られたくなかったんだけど。

でも、風邪ひいたことで、彼女がこうやってここにいてくれるワケだし、オレ的には逆にラッキーでしかない。

だけど、申し訳なさそうにしている彼女を見て、今ならなんか言ったモン勝ちかなって気がして、何気なくそんなことを言ってみた。


「そうだよね・・。借り作っちゃったもんね」


そしたら、まさかの乗っかって来てくれた彼女。

これは・・チャンスかも・・。


「じゃあ・・・今日、看病してくれない?」


今日だけならオレも甘えても許してもらえるかな。


「それは・・もちろん!私の出来る限りはちゃんと看病させてもらおうと思ってたから」

「なら。これお願いしてい?」

「ん?どれ?」

「これ」


だからここぞとばかりにオレは彼女へ早速おねだり。


「おかゆ」

「そう、おかゆ」


だけどおかゆを指差してアピールしてもまったく気が付かない。


「おかゆ?」

「だから~。これ食べさせて」


オレはおかゆを食べさせてほしいと彼女へアピール。


「ん。あ~」


オレは口を開けて待機。

さぁ、どうする?

さすがにこんなことは恥ずかしくてしてくれないか。


「あっ、オレ猫舌だから熱いの苦手なんだけど・・・」


実際、彼女がしてくれるとは思ってないけど、とりあえずダメ元で伝えてみる。


「そこまでもう熱くはないとは思うけど。なんならフーフーしてあげよっか?」


そしたら彼女は調子に乗ってからかってくる。


「・・・フーフーして」


そっちがその気ならオレは喜んで甘えるだけ。

本気で思ってないくせに、そんなこと言うからだよ。


「えっ?ホントにするの?」

「してくれるって言ったじゃん」

「いや、それは、そうなんだけど・・」


案の定オレが強気で出ると戸惑う彼女。


ホラ、結局そうなるくせに。

年上なのにこういうとこは素直で可愛いんだよな。


「早く」

「あっ、う、うん。ちょっと待って」


するとオレに急かされて勢いでおかゆを取り分けてフーフーとし出す彼女。


いや、マジか・・。

マジでフーフーしてくれてんだけど。

いや、本気でしてくれると思ってなかったからオレも正直戸惑う。


「はい・・」

「ん」


ホントに望んだ通りフーフーして食べさせてくれたことが嬉しすぎて。


「美味しい」


今まで食べて来たどんなおかゆより・・いや、どんな食べ物より、一番このおかゆが美味い。

あまりにも嬉しくてつい気が緩んでニヤけてしまう。



「そんな顔するんだ・・・」

「ん?」

「なんか見たことない顔するから」


すると、そんなオレを見て珍しかったのかそんなことを言われる。

だってあまりにも嬉しくてその幸せ隠し切れなかったから。


「そっ? 透子の前だからかな」


そして素直にその嬉しさを伝える。


「会社の人に、家教えてないんだね。今日訪ねた時同じ部署の人そんな感じのこと話してたから」

「あぁ~。だから今日それで風邪って気付いてくれたんだ」

「うん・・」


なるほど。

今日オレ訪ねてくれたんだ。

それ聞いてわざわざお見舞いに来てくれるなんて。

そんなことしてもらえるなんて思ってもみなかった。


「教えたら色々面倒だし。この家は誰も教えてない」


だけど、あなたに隣に住んでることを伝えていたことで、こんなにも幸せなことが起きた。

昔遊び回ってた時は、何度も家に他の女性も連れ込んでたけど、でもこの家引っ越してからは、そういうことも一切やめて。

あなたが隣に住んでくれていることで、オレは自然にそういうこともやめられた。

あなたがいる以上、もうそんなことする必要も意味もない。


「会社の女性も誰も来てないの?」


そんなことして無意味に勘違いされても困るだけだし。

あなたが隣にいるのにそんなこと出来るはずないでしょ。


「あんまり家好き勝手に入られるの好きじゃなくて」


一度教えるとしつこく通い続けたヤツもいたし、勝手に彼女ヅラして面倒でしかなかった。


「えっ!ごめん!私何回も勝手に・・!」


すると、それを聞いて勘違いしたのか謝って来る彼女。

いや、そうじゃなくて!


「ごめん!私、もう帰るね!」


なんでそう勘違いするかな。

あなたなら喜んで歓迎するのに。

そもそもこの部屋連れて来たのはオレなんだから。





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