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登場人物
主人公【海月 優弦】ウミツキユズル
友達【暁志 弦】アカツキ シズル
優弦の関係者 【 】
ピピピピ!
何時も通りの、甲高い機械音で目が覚めた。昨日の出来事のせいで、全く眠れず、眠れたかと思いきや、悪夢で目が覚め、倦怠感と、憂鬱感が、重く身体に纏わり付く。
「はぁ……。」
昨日、自分の怠惰に忠実に従っていれば、あんな事にはならなかったのだ。そうだ。今日こそはサボろう。其れに、今回に関しては、しっかりとした理由が有る。理由に関しては、話したく無いし、話さないが、此れはサボりでは無い。
「よし…。」
「サボろ。」
俺は、早速スマホを開いた。最近、人気急上昇中で、話題のゲームを、スマホにインストールする事にした。
「あ。」
ホーム画面が開かれると、ラインのアプリに、通知が入っているのが目に入った。例のアイツの連絡先はとうに削除済みだし、実家とは定期的に連絡はしているが、最近は忙しいのかそれも途絶えている。其れに、俺には、ラインを交換する様な仲の友達は、一人しかいない。
「志弦か…。」
必然的に、志弦だと分かった。
ラインを開くと、案の定、志弦からの連絡が入っていた。
『優弦、大丈夫か?』
志弦は、肝心な時は気が効く。昨日の、普通じゃない俺を見て、深くは聞かずに、一言だけ、心配の連絡をしてくれたんだろう。深く詮索されたとしても、俺は、答えることは無い。だから、大丈夫かどうか、一言だけのラインが、率直に、凄く嬉しい。
そう言えば、昨日、一人で帰った後、連絡してなかったな…。
『大丈夫。ありがとう。』
俺も、一言だけそう返した。
すると、直ぐに既読が付いた。余程、心配してくれていたのだろう。直ぐに返信も来た。
『良かった。』
『優弦の都合の良い時に、連絡してくれ。新しく出た漫画、持って行く。』
志弦が良い奴過ぎて、なんか…申し訳なくなって来たな…。
昨日、初対面の人と、いきなり二人っきりにしてしまったし。いきなり走って一人で帰るし。俺から誘った癖に、図書館へ行く約束もすっぽかしてるし。理由も話さ無いし、連絡もして無いし。普通に考えて、俺が志弦の立場だったら、めちゃくちゃ意味が分からない。其れから、初対面の人と、いきなり二人っきりにされるのは、マジで嫌だし、マジで意味が分からない。
「……此れでサボるって言うのは……。」
「…志弦に申し訳なさすぎるよな……。」
結局、学校に行く事にした。
「オハヨーゴザイマス…。」
中途半端な時間に来てしまったので、少し……
いや、大分気まずい……。
(志弦)「優弦…!こっちこっち…!」
志弦の隣の席が、丁度空いていて、手招きされるが儘、志弦の隣に座った。
(志弦)「優弦…!来たんだな…!」
「うん…。昨日はごめんな…。」
(志弦)「良いよ別に…!気にすんなって…!」
「ありがとう…!」
深く詮索しないで、謝罪だけを受け入れてくれるだなんて。
マジで良い奴過ぎる…!
不安は残るが、志弦の明るさの御蔭で、少し気持ちがマシになった。其れに、不安がっていても、外に出てしまったからには、もう、何も起こら無い事を祈る事しか出来ないのだ。
「志弦。此処で誰と待ち合わせてるの?」
「と言うか、其れ、俺が居ても良いの?」
(志弦)「大丈夫だよ!優弦の知ってる人だし、俺も、最近仲良くなったばっかりだし!」
「俺の知ってる人…って事は、大学の人?」
(志弦)「いや?」
「え、じゃあ誰なの?」
(志弦)「え?ほら、昨日の、璃舞さん!」
何で志弦がアイツの名前を…。
(志弦)「星生 璃舞さん!」
「え、は?どう言う事?」
(志弦)「実は、優弦が帰っちゃった後にさ、ちょっと璃舞さんと話してさ!それで仲良くなって、連絡先も交換しててさ!」
「はぁ……?」
(志弦)「優弦が帰っちゃったから、璃舞さんに、三人で、明日遊びに行きませんかって聞いたら、喜んで承諾してくれてさ!」
「はぁぁあ?!」
前言撤回!!!!
アイツと遊ぶ?!いやいやいや、無理に決まってるだろ!!
志弦には悪いけど、余計なお世話だわ!!
いや、良かれと思ってやってくれてるんだろうけどさ?!
「あ〜〜…。俺ぇ……。用事思い出したから帰るわぁ〜〜…。」
(璃舞)「優弦、志弦君。」
「先に待ってたくれてたの?」
「お待たせしちゃってごめんね。」
あッ、あ〜〜〜…。
全っ然!!お待たせして無いです!!!!
祈り届かず、帰ろうとするも、時すでに遅しだった。