炭治郎視点
猫みたいだ。
初めて見た時、そう思った。
それは、右目の瞳孔が細長いのもあるけど、何より身軽だったから。
「ごめぇーん!遅れちゃった」
そう言いながら、木と木を渡って飛びながら、地面に綺麗に着地した。
「ごめんね耀哉。さ、柱合会議……ってあれ?この坊やは誰だい?」
「竈門炭治郎くん、だそうです。鬼を連れています」
蝶々の髪飾りをつけた女の人が答える。
「ふぅん……あ、ごめんごめん!早く続きをしよう!僕のせいで止まっているだろう?」
「いいや、さっき始まったばかりさ。」
御館様は、後から来た猫みたいな人に説明した。俺が鬼を連れてること、鱗滝さんの手紙のこと、俺が鬼舞辻無罪に遭遇したこと。
「成程……うん。僕は耀哉に賛成するよ」
「……!」
猫みたいな人は優しく微笑んだ。それを見て、俺は少し安心した。
「鬼は鬼の味方かよ」
傷だらけの人が悪態を着く。
「違うよ。僕は何があっても耀哉の味方さ。それに、僕は半鬼。太陽の元を歩けるのもそのお陰。鬼だから見方をする訳じゃあないさ」
「ケッ……」
「そっちから言ったのに、興味無いなぁ」
凄い……。
どれだけ悪い態度を取られても、怒ることなく冷製だ。半鬼だと言っていたし、長く生きているんだろう。
「みんな、鬼舞辻はね、炭治郎に追っ手を放っているんだよ。その理由は、単なる口封じかもしれないが、私は初めて鬼舞辻が見せた尻尾を掴んで離したくない」
御館様が喋り出すと、傷だらけの人や猫みたいな人も含め、周りがしんとする。
「恐らく禰豆子にも、鬼舞辻にとって予想外の何がが起きているのだと思うんだ」
俺はその人の話に聞き入っていた。
周りの人達……柱もみんな同じだった。
「分かってくれるかな?」
辺りがまたしんとする。其の静けさを破ったのは、傷だらけの人だった。
「分かりません御館様!人間ならば生かしておいてもいいが鬼は駄目です!承知できない……!」
傷だらけの人は、怒りながらそう言うと、自分の腕を刀で切った。
その時、猫みたいな人の顔が、少し揺らいだ気がした。
「御館様……!!証明しますよ俺が!!鬼というものの醜さを!!」
傷だらけの人は、禰豆子の入った箱に、自分の血をぽたぽた垂らした。
「オイ鬼!!飯の時間だぞ!!喰らいつけ!!」
コメント
1件
うわ〜!!!!!!!実弥〜!!!!!!!