日紗)えっと…君たちは?
僕は、家に帰ると自分の家のようにくつろいでいる青年たちに問いかけた。もちろん、知り合いでも何でもなく、まったく知らない人だ。
気弱そうな青年)えっと…ね、ねぇ、なんて言えば良いのかな?
明るそうな青年)俺たちのことをわかってくれるはずじゃないか?なぁ、君?
2人が僕を見るが、全くわからない。何のことだかもわからない。
冷静そうな青年)お前が、依神の末裔だろ?
僕は困ったように首を傾げた。
明るそうな青年)それじゃあ困るんだぞ!?依神家の当主からなにも聞いていないのかい!?
依神は僕の苗字だけど。特別な家系でもないし、両親はもういない。姉もいなくなったから、僕は一人ぼっちだ。
気弱そうな青年)ど、どうしよう…
冷静そうな青年)お前は、一体…
日紗)ええ…?よ、依神。依神日紗。
明るそうな青年)な!?そうだろう?俺は海岬 青夏だ!
日紗)女の子?
青夏)それは酷いんだぞ!俺は男だ!
日紗)わわっ…ごめんね!
名前は分かったけど、何も解決していない気がする。どうしたらいいんだろう…?姉さんや父さん、母さんの親戚だったのかな?
気弱そうな青年)僕は桜樂 春飛。女の子みたいな名前だけど、男の子だよ…
日紗は頷いた。なんだろう。本当にどうしたらいいんだろう…?
冷静そうな青年)俺は智秋。天葉智秋。
智秋)…で、起きろ。
寝ていた青年)うーん…あ、ちあきだあ…何?
智秋)自己紹介しろ。
寝ていた青年)うーん…氷室…真冬です…
日紗)…
だからなんなんだろう…?僕も自己紹介する?それとも警察?
日紗)えっと…依神日紗…よ、よろしく?
困ったように言った。
真冬)日紗!よろしく!ご飯ちょーだいっ!
春飛)ちょっ…ま、真冬!
青夏)ははっ、真冬は子供だな!
智秋)青夏だけには言われたくないだろ。かわいそうだな、真冬。
青夏)酷いんだぞ!?
日紗は目をパチパチさせた。
日紗)だ、誰なの、君たち…
真冬)僕?冬の化身だけど。
日紗)は?
智秋)その反応…しらないのか?
日紗は頷いた。言われてもピンとこない。名前に季節が入っている程度だ。
智秋)俺たちを護るのが依神の仕事だろう?代々に与えられた定めだ。
日紗)え、ええ…ー?僕、学校もあるし…
仕事なら納得だ。僕は人間とは違う存在だ。かっこよくいうなら選ばれし家計なんだ。依神というのも、神の代理人という意味らしい。姉さんが言っていた。
青夏)これから頼んだぞ!
日紗)お友達も欲しかったし、いいけど…はぁ…料理とか作れないよぉ…
春飛)料理なら、任せてください!
真冬)春飛は桜餅でしょ?それより鍋のほうが良いよ!
智秋)食べ物なら俺だろう。秋の味覚は絶品なはずだ。
青夏)俺が夏野菜カレーを作ってあげるぞ!
こんな感じの子たちだけど、仲良くしていけるのかなぁ?
でも、そんな気持ちとは裏腹に少し楽しみにしている僕がいた。
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