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ぱんぱぱんっ!
「振動の弾丸」が発射された。
一秒にも満たない時間で、ステージ前方の空間に振動の弾が撃ち込まれていく。
ざわっ…
生徒たちの間に、初めて「ざわめき」が走った。
陽キャ1)「え、なに今の…あんま目に見えなかったけど、ヤベー音してなかったか?」
陽キャ2)「あの小ささであの音圧?やべぇだろ…」
佐藤先生は少し驚いたように、それでも冷静に頷いた。
佐藤先生)「……なるほど。振動の“集中放出型”ですね。しかも……コントロール精度が高い。よく調整されている」
くれな)[え、褒められた……?え?やっぱ褒められると伸びるタイプなんすよもっと褒めて褒めてうぇーい(((]
くれな)……ありがとうございます。……以上です。
静かにステージを降りるくれな。
その背後で、クラスメイトたちの視線が変わったのを、本人は気づいていない。
―Episode 5―
佐藤先生)この学校では各生徒に能力のランク付けがされます。
くれな)[わーお((]
佐藤先生)一番成績が良いのはA悪いのはDです。
佐藤先生)……そして、くれなさんの異能評価ランクは――
くれな)あの、あの、あの!先生!先生!先生ッッッッ!!!!
佐藤先生)「……はい、くれなさん?」
くれなはなぜか教室の端っこから全力で手を挙げて叫んでいた。陰キャというキャラを保とうとしていたはずだったのに(?)
くれな)ちょ、まっ、待ってください先生!!ランクとかそんな公開しないでください!はい!本当に!そういうのって公開して良いものなんですか!?私も自分のランク知らされてないし、私何も聞かされてないんですけど、、!? ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ(ry
佐藤先生)「……落ち着いてください。くれなさん。まず、ランクの公開は“本人の同意がある場合のみ”です」
くれな)え、えっ……!? そ、そうなんですか……?
くれな)じゃぁ最初に言ってくれよもうほんとにぃ…クソ焦ったじゃねぇかよぉ…ほんまにぃ…(小声)
佐藤先生)「ふふ。……すみません、それは私の配慮不足でしたね。くれなさんには、後ほど個別に詳しく説明します。ご安心を」
くれな)「あ、あ〜……は、はい……(もうちょっとで心臓、物理的に振動破裂するとこだった……)」
モトキ)「くれな、なんか面白いな〜。さっきまでバチバチに格好良かったのに」
シルク)「ギャップってやつ?なんか、アリだな〜……」
くれな)おいギャップってなんやお前ら(( あ、お前らって言っちゃった、まぁ聞こえてないっしょ(( (小声)
シルク)聞こえてんぞ
くれな)ア…
モトキ)陰キャじゃなくて普通にヤンキーか?
くれな)誰がヤンキーやねん。ぶっ飛ばすぞ←
佐藤先生)「はいはい、そこまで!教室で異能発動は禁止ですからね?本気で“ぶっ飛ばす”前に落ち着きましょう」
くれな)……ぶ、ぶっ飛ばしません、たぶん、きっと、たぶん……(震)
シルク)でもマジで、さっきの弾丸、見えなかったけど音が身体に刺さる感じだったわ。あれ絶対ヤバいやつだろ
モトキ)近距離で喰らったら骨まで震えるんじゃね?怖っ……いや、普通にすげーけどな
くれな)え、え……いやそんな……わたしなんて……はい。はい。はいぃ….(?)
佐藤先生)「……と、そんなところで次の話に移りましょうか」
(ピッ、とリモコンを押すと教室前方のスクリーンが点灯)
佐藤先生)「実は、優秀なランクを持つ生徒たちは、来月行われる“校内合同戦闘演習”に選抜される可能性があります」
佐藤先生)もちろん、強制ではありません。ただ、経験値としても非常に価値がある訓練です
シルク)お、マジか。面白そうじゃん。なあ、モトキ?
モトキ)おう。ダホもくれなも出るっしょ?
ンダホ)まぁね。
くれな)ゑ?まって、なんでそこで私の名前が出るんだよ((
くれな)シルクさんがA+モトキさんB+とンダホさんはA-だけど…あ…
くれな)…あの佐藤先生、質問です…!
佐藤先生)はい、くれなさん。どうぞ
くれな)あの..優秀なランクってどこからどこまでですか..?
佐藤先生)「良い質問ですね。優秀なランク、つまり“演習の選抜対象”となるのは、基本的に B-以上の生徒たちです」
くれな)ありがとうございます…あの先生貴重な時間を奪ってしまい申し訳ないんですけど、この時間後の休み時間にちょっと話せますか…?
佐藤先生)……もちろんですよ。くれなさん、むしろそう言ってもらえると嬉しいです。私も、あなたと個別に少し話そうと思っていたところでしたから
くれな)あ、あ……ほんとですか……!よかった……ありがとうございます……
佐藤先生)では、次の休み時間に職員室前の廊下でお待ちしていますね。立ち話でもいいですし、時間が取れそうなら中に案内します
―Episode 6―
職員室前の廊下に着いたとき、すでに佐藤先生が待っていた。
佐藤先生)「あ、くれなさん。お待たせしました」
くれな)「いえ、すみません……ありがとうございます。あの、ちょっといくつか気になることがあって…」
佐藤先生)「もちろん、どうぞ」
くれなは少し躊躇しながらも、佐藤先生に向かって声を絞り出す。
くれな)まず最初に私のランクって..?
佐藤先生)くれなさんのランクはB+です。
くれな)…なるほど…ありがとうございます….ちなみに理由とか…課題点とかって…?このまま伸ばしてほしいところとちょっとここが悪いところだなー…っていう点とかを教えてほしいんですが…
佐藤先生)「もちろん、くれなさんのランクに関して詳しくお話ししましょう。」
佐藤先生は少し考え込んだ後、静かに言った。
佐藤先生)「まず、くれなさんの振動の能力は非常に高い精度でコントロールされており、特に“集中放出型”としては優れた実力を持っています。ですが、いくつかの点でさらに伸ばす余地があると考えています。」
くれな)「はい、どんなところですか?」
佐藤先生)「一つは、力の使い方の幅がまだ狭いところです。例えば、あなたの弾丸のような直接的な攻撃に特化していますが、もっと多様な使い方ができるはずです。振動を使って、物理的なダメージだけではなく、相手の動きを制御するような戦術的なアプローチを学ぶことができれば、さらに強力な力になるでしょう。」
くれな)「あぁ、なるほど…その通りかもしれません。確かに、今は自分の力をどんどん“破壊的”に使うことしか考えてなかったです。」
佐藤先生)「その点は非常に良い発見です。それだけでも、あなたはすでに十分に優れていますが、次のステップとして、もっと柔軟に力を使う訓練をすることが大事ですね。」
くれな)「他には何かありますか?」
佐藤先生)「もう一つは、冷静さを保つことです。あなたの能力は非常に強力ですが、時に感情的に動きすぎてしまうところが見受けられます。特に、あのように予期せぬ場面で焦ってしまうと、能力の精度に影響が出てしまうことがあります。」
くれな)「そ、それは…やっぱり、ありますよね…(汗)」
佐藤先生)「大丈夫です。その部分も訓練によって改善できるものです。感情をコントロールすることも、能力を使いこなすために重要な要素です。むしろ、あなたはその部分を改善すれば、もっと強く、もっと安定した能力を発揮できるはずです。」
くれな)「なるほど…冷静さ、ですね…。わかりました。気をつけます。」
佐藤先生)「くれなさん、あなたには大きなポテンシャルがあります。ランクがB+というのは、その力が証明されている証拠です。あとは、その可能性をどれだけ広げていけるか、です。」
くれな)ありがとうございます、、
くれな)「あの、演習についてなんですけど……あれって、やっぱり…参加した方がいいんですか?」
佐藤先生)「演習についての質問ですね。良い質問です。」
佐藤先生は少し考え込むようにしてから答えた。
佐藤先生)「演習に参加するかどうかは、最終的にはくれなさんの判断です。ただ、強制ではないとはいえ、あれは非常に貴重な経験になります。特に、普段あまり戦闘訓練を積んでいない生徒にとっては、実践的なスキルを身につける絶好のチャンスです。」
くれな)「そうですね…でも、私はあまり自信がないんです。自分の能力をどう使っていけばいいか、まだ整理できていない気がして…」
佐藤先生)「その気持ちはよく分かります。しかし、参加することで、自分の能力がどこまで通用するのか、実際に試すことができるはずです。もちろん、リスクもありますが、戦闘演習を通じて、冷静さを保ちながら能力を使いこなす感覚も養えるでしょう。」
くれな)「なるほど…確かに、それなら自分の成長につながるかもしれませんね。」
佐藤先生)「その通りです。自分の力が通用するかどうかを知ることも、大切な一歩です。それに、他の生徒たちの能力を見ることも、自分の視野を広げる助けになるはずです。競争の中で学ぶことはたくさんありますから。」
くれな)「わかりました…。やっぱり、参加してみた方がいいんですね。」
佐藤先生)「その決断を後悔することはないでしょう。もし迷いがあれば、また相談に来てください。私はいつでも話を聞きますよ。」
くれな)「ありがとうございます、先生…!」
―Episode 7―
職員室ではスーツ姿の数人の職員たちが控えめに会話をしていた。
職員A)「あの“振動使い”、くれなという生徒……弾幕型であそこまで制御できるとはな」
職員B)「面白い。実戦配備班に推薦してみてもいいかもしれない。まだ一年だが、素材としては悪くない」