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『いろはちゃんへ』
「ふぅ…、やっと片付いたでござる、、」
(風真は今、ルイ姉から頼まれてたとある任務をちょうどやり終わったばかりで体がヘトヘトなんでござる…。)
ビルを出ると、
空はもう真っ黒で、星が綺麗に見える夜。
辺りには誰もいない…。
はずだった。
(あれは沙花叉…?なんで、こんな遅い時間に…。)
風真が沙花叉へ声をかけるのはそう遅くなかった。
「沙花叉〜!」
「え、いろはちゃん…、!?」
予想外すぎる出来事に沙花叉は驚いてしまった。
「なんでここに…?」
「風真、今さっきあそこで任務を終わらせて来たでござるよ。」
そう、いろはちゃんが指を刺した先にはとっても高いビルが立っていた。
「あー、、」
なんとなく察して、そう返事を返す。
「ところで沙花叉はなんでここに?」
不思議そうに聞いてくるいろはちゃんはまだ”手紙”の事なんて知らないのだろう。
「ちょっと外に出たいなーって思っちゃってね笑」
「でも、こんなに暗いしもう危ないでござるよ!だから一緒にアジトに帰ろ?」
心配しながらも優しくそう言ってくれるいろはちゃんは出会った当初と何一つ変わってなかった。
「ごめん、もうちょっとここにいたいんだ。」
「じゃあ、風真も…」
「1人でいたいんだ。」
「えっ…?」
そんなこと言われると思ってなかったと言わんばかりの顔をしている。
「ご、ごめん…、沙花叉気をつけて帰ってきてよ?」
「うん、いろはちゃんもね。」
いつもなら”また後でね”とか返してたと思う。
けど、今日はそんな返事を軽々しく出来ない。
アジトについて30分経っただろうか…。
まだ、沙花叉は帰ってこない。
なぜだろう…。
「あ、いろは。」
後ろからそう声が聞こえた。
「ッ…?!」
びっくりして身構えたが、後ろにいたのはラプ殿だった。
「なんだ、ラプ殿か…。」
「おい…。」
「てか、そんなことよりどうした?任務終わったんだろ?」
「沙花叉がまだ帰ってきてなくて…」
「へっ?あ、お前…まだ知らないよな、、」
「何がでござる?」
「ちょっと待ってて。」
そう言われてラプ殿は部屋に戻り、1枚の紙を取ってきた。
「これ、あいつからだ。 」
あいつと言うのはきっと沙花叉のことだろう。
首を傾げながらもその紙を受け取る。
『いろはちゃんへ
急にいなくなってごめんね。前ちょっと相談したと思うんだけど、沙花叉holoXから抜けるよ。ちゃんと会って話したかったんだけどさ…、、
まあ、そんなことよりもこれからも他の3人と仲良くやってね笑
また、いつか。』
そう、書かれていた。
風真は読み終わってからすぐにアジトを飛び出した。
(まだ、あそこにいるかもしれない…。)
たった一つの希望を胸に抱いて、先程の場所へ戻った。
そこにはもう、沙花叉はいなかった。
Next▶こんこよへ
(ちなみにこんこよへというのがこの物語で最後の話となります。明日投稿予定なのでぜひ見てください。)