コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
アリスは彼から少し離れた場所のベンチに、腰を下ろした、隣にアリスがいるのに気付いているくせに、北斗はこっちを向かない
ちょこっとアリスは北斗の方へ寄った、すると北斗がちょこっと離れた
ムッとしたアリスは一気に彼にひっつき、太ももをガシッと手に取って、自分の脚にぴったり引っ付けた
彼のサンダルウッドのボディーソープの、香りと一日外にいた男性の汗の香りが、アリスの鼻孔をくすぐった、大好きな香りだ
それでもまだ彼はアリスの方を向いてくれない
「俺は馬鹿だ・・・・」
やがてポツリと彼は言った、アリスは少し間をおいて言った
「そんなにひどくないんじゃない?」
すると彼がアリスの手を握って来たので、ぎゅっと握り返した
「・・・私は北斗さんにしか股を開かないから、何を言われても平気よ?」
彼は飛び上がった
「そっ!・・・そんなのっ分かり切ったことだ!だって君は俺と初めて会った時は・・・ 」
俯いて彼が小さく言った
カァ~・・・(照)「しょっ・・・しょっ・・・処女だっ・・・た・・・ 」
「ねぇ・・・すべてを許し合った仲なのに、どうしてそんなことで照れるの?」
真っ赤になってうずくまった彼を抱きしめて、アリスが言った、すると彼がぎゅっと抱きしめ返してくれた
途端に安堵のぬくもりが全身を駆け巡る、ああ・・・これがあるから頑張れる
ハグは人とのコミニュケーションで最も、癒し効果があると昔心理学で、学んだ事を思い出した
「・・・・君を愛している・・・アリス、出会った瞬間から愛してきた・・・きっと俺の心臓が止まるその瞬間まで愛し続けるだろう・・・だけど・・・後悔してる・・・いくら君を侮辱されて腹が立ったからといって・・・ああするべきではなかった・・・ 」
ずいぶん彼は反省したようだ、嬉しさで心が温かくなる、アリスは子供にするように、彼の頭を自分の胸にぎゅっと引き寄せた
彼はアリスの胸の谷間に顔を埋め、大きくため息をついた
「・・・馬鹿ね・・・・ 」
「・・・うん・・・・ 」
彼の声がかすれている、愛撫というより彼を安心させたかった、ゆっくりと優しく彼の後頭部を撫でる
「・・・一つだけ言わせてもらうとね・・・あの新聞に映ってるあなたって・・・今までで一番ハンサムだわ、カメラマンの腕がいいのは確かね 」
彼が顔を上げてアリスを見た、アリスの言葉に当惑しきったその顔は、あまりにも必死で笑いたくなるほどだった
「なんだ?そのにやけ顔は?」
北斗が眉をしかめてアリスを睨む
「別に?何でもないわ」
アリスがからかう
彼は今自分にものすごい愛の告白をしたのに、まったく気づいていない
心臓が止まる瞬間まで愛していると言った、こんな言葉をくれる人なんている?
「君のそのにやけ顔は好きじゃない」
俺がこんなに苦しんでいるのにと拗ねて、しかめっ面をしてる彼がとても可愛い
「おうちに帰りましょう、ここは寒いから温めてあげる・・・それから今後の対策を練りましょう」
アリスが立ち上がって、北斗も立たせようと両手をひっぱる
「・・・・セックスしたら・・・・俺の機嫌がなおると思ってるんだろう?」
「あら違った?」
アリスは彼の顔に・・鼻に誘惑のキスの雨を降らせた、抵抗できるはずもなく北斗は観念して顎を上に向け、アリスのキスを受けた
「悔しいが正解だ」
..:。:.::.*゜:.
..:。:.::.*゜:.
ぬくぬくとベッドで裸で目覚めた二人は、レースのカーテンの下から入り込む、朝の涼しい冷気に対抗して、しっかり羽の上掛け布団にくるまっていた
北斗が腕枕で寝ているアリスの、髪の毛を指で弄びながら、じっと寝顔を見つめている
彼女と身体を重ねるたびに毎回、新しい発見と驚きがある
今は鬱々と取り憑かれていたものが、落ちたように頭がスッキリしている、なんだか浄化された気分だ、こんな離れ業が出来るのはこの天使だけだ
自然と今後やらなければいけないことが、ハッキリしてくる
すると起きたアリスの片脚がため息をつきながら、北斗のうち太ももにズボッとねじ込んでくる、北斗は思わず笑ってしまったが、されるがままに脚と脚をからませた
「おはよう 」
アリスが眠そうにくぐもった声で言い、北斗に身体を密着させてくる
「今何時?」
「6時10分・・・まだ眠いだろ? 」
「私をお寝坊さんみたいに言うのやめて」
北斗が喉の奥で小さな音を立てて笑っている
「考えたんだけど・・・・ 」
「うん・・・・ 」
アリスの小さな手に北斗の手を重ねる、この肌の色のコントラストが好きだと北斗は思った
「島中の人があの記事を読んだとしても、実際の私を人々に見せることに私はなんの躊躇もないわ、確かに私は鬼龍院と過去婚約していたけど、それは親が勝手に決めたこと、私はあなたに出会って真実の愛に目覚めたの・・・」
「うん・・・・ 」
まだ目を閉じているアリスを、うっとりと見つめる
「そしてあなたの住むこの周防町にやってきて、この土地の魅力に憑りつかれたわ、ここより素敵な所はどこを探しても見当たらない、私は貴方を議長にしてこの町の人々のお役に立ちたい、その気持ちは以前より増して強くなっているわ、なぜなら私が選んだあなたは素晴らしいから! 」
「・・・うん・・・・ 」
「それにまた私の悪口を言ったら、あなたに喉を締めあげられるとみんなわかってるし、私って最強じゃない?」
ニヤリと目を開けてアリスが笑う
「おもしろがってるな・・・・どれだけ暴力的な議長だよ、でも・・・今回で良い経験になったな、俺はもう一個人じゃなくて公人なんだなと自覚したよ、公人は感情で行動するものじゃないんだ、今の俺は多くの人の協力の元成り立っている」
「そうね」
アリスが言って北斗の顔を両手で挟んで微笑んだ
「あなたが誇らしいわ」
「君の支えがあるからやっていける」
この愛があれば何でもやっていける、北斗はそう信じれた、考えていかなければいけない、今の自分に何ができるか、望むところだ・・・と北斗は改めて気を引き締めた
「すごく反省してる所わるいけど、あの記事を読んだ時の第一印象言ってもいい?」
北斗の口角が少し上がる、緊張してる証拠だ
「・・・・うん・・・・ 」
「ありがとう北斗さん、あなたがやらなかったら私がやってるわ、もっとひどいことになっていたかも」
北斗は裸のアリスを抱きしめて大いに笑った
昔彼女にキスをしようとした男の差し歯を、彼女がグーパンチで折った話を思い出した
彼女のこういう所が大好きだと、改めて思った