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火種みてぇに、一瞬マリモに抱かれて飛びそうになる瞬間が堪らなく心地いい。真っ昼間に抱かれて、ゆさゆさ揺らされて、雄の匂いで胸いっぱいにして。身体も頭も、全てがマリモでいっぱいになるこの時間が、おれは好きだった。
そりゃ船の中でおっ始める訳にも行かねェし、たまに停泊した島で、一緒に歩くのが精一杯だ。それでもおれは幸せで、マリモも何となくそういう気持ちなんじゃないかと思う。
部屋の電気を消して、ベットに寝転びシーツに沈んでいく瞬間。普段週一でしか風呂に入らねェアイツがシャワーを浴びてきた夜は、つまりそう言うことだ。口酸っぱくして最低限体を清めてから抱きやがれと散々言ったのもある。それを律儀に守るアイツも、態度の割には素直だなと感心した。
「…おい、コック」
そう低い声を漏らすマリモの目は、獲物を狙う肉食獣のようにギラギラと輝いている。まあ、その獲物はおれなんだけどな。
バスタオルを腰に巻いただけの姿で、ベットに腰掛けておれを待っている。
「早くしろ」
んな、急かさなくたって行くに決まってんだろうが。そうして近づけば、鍛え上げられた太い腕で腕を掴まれてそのまま組み敷かれる。チャリ、と時折鳴るピアスの音が、自分の理性を繋ぎ止めていた。
ちゅ、と軽く唇を重ねてすぐに離れる。物足りないので舌を伸ばして強請ってみたが、マリモは頑なに開けてくれねェ。
(…なんだよ。キスは好きなくせに)
そう不満に思っていれば、マリモの唇がおれの耳たぶを食んだ。ちゅ、とリップ音が直接鼓膜に響く。そのまま熱い舌がぬるりと侵入してきて、思わず肩が跳ねてしまった。
「早く、食わせろ」
「っ、わかってらァ」
コイツはおれが耳弱いの知っててやってくるからタチが悪い。おれの理性をぶっちぎるように、わざと音を立てておれの耳を蹂躙するマリモに、思わず声が漏れた。
「んっ、ぁ……ッ」
その声が気に入ったのか、耳の先から付け根までねっとりと舌を這わされ、反対の耳を指でふにふにと弄られる。期待で胸が高鳴ってしまった。そんなおれに気分を良くしたんだろう。
「…ハ、…煽ってんのかよ」
おれを見下ろす顔の余裕のなさ。口から漏れ出る、吐息の心地よさ。それは、おれだけが味わえる唯一のものだ。コイツはおれを組み敷く時、いつもこう言うのだ。それが堪らなく嬉しくて、おれも意地になって煽り返してやった。
ぐちゅりと粘着質な音が部屋に響き渡る。何度もいかされて体力のねェおれのをマリモの手が上下に擦り上げて、その度に腰が浮いた。鈴口からダラダラと先走りが流れて、マリモの手を濡らしていく。 その滑りを利用して裏筋から何度も擦られて、おれは呆気なく達した。
「…っ、」
「…なんか随分と早ぇな」
「っ、うっせ、……久しぶりだろうが…ッ」
「まあな。でもテメェは中だけじゃいけねぇだろ」
そう言いながらマリモがおれの腹の上に溜まった液を指ですくって、そのまま後ろへと塗りつける。はぁ、と思わずため息が漏れ出た。これから与えられる快感に期待してしまっているから。
指が一本ゆっくりと侵入してきて、待ち侘びていたと言わんばかりにナカが収縮するのがわかった。指の根元まで咥え込んだあと、ぐるりと掻き込まれてびくりと、体が跳ねる。
「…ゔ、あ」
「まだ一本しか入ってねぇぞ」
「ん、……るせェっ」
指が二本に増えて、ぐちゅりと音を立てた。中のしこりを指先で掻かれて、自然と腰が浮く。もっと強い刺激を求めてるんだろう。そんな浅ましい自分が嫌で仕方ねェのに、マリモはどんどん執拗に責めてくるからタチが悪いのだ。
「……も、いいッ」
「まだだ」
「いいからッ……!さっさと突っ込めって!」
「……言ったな?上等」
「あ、っ〜〜!!」
中の質量が増して、急に圧迫される。足の間からマリモの余裕のない顔が見えた。
「てめッ……んぁあ!」
「テメェが早くしろって言ったんだろうが」
そんなの知らねぇ!そう叫びたかったのに、奥を突かれて嬌声に変わる。そのままガツガツと腰を打ち付けられて、もう何も考えられなくなっていく。
「あっ、あっ、……や、」
もう無理だって!そう言いたいのに、体はどうもクソマリモに塗り替えられて、気持ちいい事しか考えられねえ。
奥を突かれて、ナカを擦られて、前も同時に扱かれる。頭がおかしくなりそうだ。
枕にしがみついていたはずの腕がいつの間にか掴まれていて、マリモの背中に回されるように誘導される。縋ってしまうのは癪だったが、快感に逆らえなくてそのまま抱きついた。耳元でマリモが息を詰めるのがわかった。余裕のない顔がおれだけを見ているのが堪らない。
「あ、っ、ああっ」
「ッ……出すぞ」
「……んぁ!」
奥に押し付けられて、どくりと精が吐き出される。その熱の心地良さに身震いした。マリモのものがずるりと引き抜かれたあとも余韻で頭がぼーっとして、息を整えるのに必死だった。
あの後寝てしまったのか、起きて隣を見ればいつもと同じようにマリモが寝てやがるしケツには違和感があるしで散々な目覚めだ。とりあえず水飲もう。そう思ってベットから立ち上がった。
不意に、後ろから手首を掴まれる。驚いて振り返ればマリモが眠たげに瞬きを繰り返していた。
なんだその可愛い仕草は……って違う違う!なんてことを思っちまったんだおれは! 心の中で激しくツッコミを入れていれば、ぐいと引っ張られて抱き止められた。そのままぎゅうと抱き締められて、耳元で囁かれる。
「どこ行くつもりだ」
「ッ…、水飲むだけだ。離せっての!」
そう言っても一向に離してくれねェから仕方なくそのまま大人しくしていると、おれの頸に顔を埋めて匂いを嗅ぎだした。おれと同じシャンプーとボディーソープを使った筈なのに、マリモの方がいい匂いがするのはなんでだよ。そんな考えが頭によぎったけれどすぐに消える。おれが暴れないとわかったからか、ぎゅうと抱き締める力が強まった。
「もう少しここにいろ」
朝日が差し込み、普段だったら朝食の仕込みに行かなきゃならねェ日の出の時間に、こんな風に居座っちまうのは何だか変な気分だ。
でもまあ、こんな朝も悪くねェかな。なんて思いながら、おれもマリモに腕を回して抱き締め返してやった。