遥の言った「生き延びる」というのは大体は理解できていた。
この残り6日程度でシェルターを作って文字通り「生き延びる」ということだ。
「跡形に消える」と聞いていたがやってみないとわからない。
まぁ前みたいに同じ道は進んでいないから死んだとしてもそれはそれでOKとしたい。
「でもシェルターどうやって作るのか?」
「跡形もなく消えるって言われてるけど地球がすべて消えるってことは無いんじゃない?だから地面めちゃくちゃ掘るよ!」
「、、、まじかよ」
俺達はこの6日間、本気で地面を掘った。
正確に言えば山と地面の間を掘り続けた。
理由はそのまま地面を掘ると穴を埋めるのが大変だし、掘ったあとに地上に戻れないからだ。
そして隕石が普通の地面に衝突するとすぐ崩れる可能性があったから、山を利用して耐久値を増やしているというのもある。
そして本気で掘り始めて5日が経った。
遥曰く最終日は休みたいから掘り進めて5日経ったら空いた穴を塞ぎ、できたシェルターで一休みするということだ。
俺達は日用品、食料、水、着替えを何着か持って穴を塞いだ。
「、、ふぅ、やっと終わったね。」
「、、そうだな。」
スマホで確認すると現在時刻は10時。
お風呂に入って寝たいところだが、まずまずお風呂がない。
貴重である水を失くすのはもったいないが、今日までずっと掘ってきて疲れている。そして汗もかいているから遥的には不愉快だろう。
持ってきたタオルに水をつけて体を拭こう。
そうして遥に背を向けようとしたとき、遥は俺に見せるかのように服を脱ごうとした。
「ちょっ!遥さん!??」
「ん?なによ」
「は、、、裸、、見えてるんですけど、、」
「はぁ?もう付き合ってるんだし、これくらい良いでしょ」
「、、、付き合ってまだ数日しか経って無いんですけど、、それでも、、?」
「付き合った日数が浅くても、私達は幼馴染でしょ?幼稚園の時からずっと一緒に居たじゃん!」
「、、、そうだけど、、」
「ちょっと恥ずかしいけど、結衣人は私の彼氏なんだから、見せる、くらいなら、」
「、、俺の理性が保てないので、生き残れたら見るって形でいいっすかね、?」
「、、わかった。」
なんとか体を拭き、着替えることができた。
その日は毛布を羽織ってすぐに寝た。
毛布が小さくて無防備な遥が近くにいたからあまり寝れなかったが、
そして、翌日、この世界が終わる日となった。
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