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「司先輩…」
俺は授業中、窓から見える司先輩を眺めながら小さな声でぼそっと言った。
司先輩は、それに気づいたようにこちらを見た。
「、!」
俺は少しビクッとした。
司先輩はそこできょとんとしていた。 少し時間が過ぎたら、
「…ふ、」
笑顔で手を少し振った。その笑顔はとても可愛いらしくて、輝いていた。
「、!…」
俺も手を振ってあげた。
司先輩は手を振った後、神代先輩のところにすぐ駆け寄った。
「ぁ…」
やっぱり…司先輩は
好きなのか、?神代先輩の事が…
そう思うと辛くて仕方がない。胸が縛られていく感じがする。授業中なのに…集中しないとな。俺はそう思いながら授業を進める。
「ふぅ ~…終わった、な」
授業が終わった。 次はお昼ご飯を食べる時間だ。
「彰人の場所に行かないとな…」
俺は席から立ち、彰人の教室に行く。
「彰人は…」
俺は廊下で、キョロキョロと周りを見ながら彰人を探す。
「冬弥 ~!!」
後ろから声がする。彰人か?と思い後ろを見ると…俺が”好き”な司先輩がいた。
「! つ、司先輩!こ、こんにちは!」
俺はつい、頭を下げて返事をしてしまった。
「と、冬弥!?頭を下げなくてもいいぞ?」
「あ、すいません…」
「大丈夫だ!」
司先輩はそう言いながら、笑顔で俺を見た。
「、!…可愛い…」
「………へ、?」
「?、どうしました、?」
「ぃ…いや…」
司先輩の顔はどんどん赤くなっていった。
とても恥ずかしそうな顔をして、
「司先輩、顔赤いですよ?」
「あぇ、?きッ気のせいだ!」
そう言いながら顔を隠す。本当にどうしたんだろうと思った。
「司先輩、俺なんかしましたか?」
「ぇッと…今、可愛いって…」
「はぇ、?」
…可愛い? もしかして、声に出てしまって…
考えるだけで頭がパンクしそうだった。
「そ…それ、で…」
「ぁ、すす、すいません!」
俺はもう訳が分からなくなり、頭を下げて謝り、その場を去った。
「はぁッはぁッ…」
俺は息を切らしながら、屋上まで来た。
「ここ…なら、誰もいないはず…」
「おや?青柳くんじゃないか!」
「、!!」
俺は後ろから声が聞こえて、少しビクッとした。その声は、神代先輩だった。
「、!…神代先輩…」
俺はそう言いながら後ろを向く。
「ふふ、ここに青柳くんが来るのは珍しいね。」
「そうですね。」
「…」
とても気まずい、話す事とかも思い浮かばない。何を話せば…
「…ここでお昼ご飯を食べるのかい?」
神代先輩は、少し首を傾げながらそう質問した。
「あ、はいそうです。」
本当は彰人の所に行かないとだったが…
後で連絡はしとかないとな。
「じゃぁ一緒に食べないかい?」
「え、?」
「あ、別に嫌だったらいいんだけど。」
そう言われると、断りずらい…しょうがないし、
「はい!いいですよ。」
「じゃぁここで食べようじゃないか。」
「わかりました!」
そう言いながら、俺と神代先輩は隣同士で座った。
「ん…じゃぁ、頂きます」
神代先輩は、俺よりも先にお昼ご飯を食べた。
俺も早く食べないと…そう思いながら、すぐ食べた。
俺と神代先輩は、無言でご飯を食べていった。
話す事もないし、このまま食べ終わらすか、
そう思いながら食べてたその時…
「そういえば冬弥くん、好きな人とかは居るかい?」
「んぶッ?!ぅゲホゲホッ」
突然過ぎる言葉に俺はびっくりしてしまい、
飲んでいた飲み物を吹いてしまった。
「だ、大丈夫かい?!」
「ゲホゲホッ、」
流石にこの状況では話せないから落ち着こうと思った。
「だぃじょッゲホッ、ゲホ」
まだ少し咳が出てしまう、そして少し時間が経ち、落ち着いた。
「す、すまないね。急にこんな事を言ってしまい…」
「いえ、大丈夫です!」
「、そうかい。」
そういえば、何故あんな事を言ったのだろう。俺は少し気になってしまい、
「そういえば、何であんな事を聞いたんですか?」
そう言ってしまった、今でなると聞かなければ良かったと思ってる。
「…えぁ、?」
「?どうしたんですか、神代先輩」
「あ、いゃ…」
神代先輩は顔を隠した。
手で隠してて顔は見えなかったけど、耳がとても赤くなっていた。
本当に謎で謎で…そう考えていた時、
「…僕、」
司くんが好きなんだ
「…へ、?」
俺の頭は真っ白になり、胸が潰されそうになった。何にも考えられなかった。
もう…考えもしたくなかった。
「き、気持ち悪いのはわかるんだ!」
違う、そう言う事じゃないんです。
「でも最近…司くんと居ると、とても胸がドキドキして…しかも、可愛いって…」
苦しい、胸が締め付けられてる、 そんな気がした。
とにかく、とても辛かった。
「青柳くんは…どう思うかい、?」
少し時間が経った時、神代先輩はそう問い掛けた。
「…俺はいいと思います。別に、同じ性別の人を好きになったって、恋愛は自由ですから!」
俺は、少し弱い声でそう言った。
そしたら、さっきまで自信が無さそうな顔をしていた神代先輩の顔が、どんどん明るくなっていった。
それとともに俺の想いは、縛られていった。
「そう言ってもらえると、嬉しいな。ありがと、青柳くん」
「いえいえ…」
俺の想いは、縄で縛られる感じがした。
辛くて、苦しくて…でも、まだ司先輩が
神代先輩を好きじゃなかったら?
俺が司先輩を奪えるのかもしれない…
まだ希望はある。まだ、まだ…
「__ぎくん?」
それでもし司先輩が俺の事が好きだったら…
「あ__ぎ_ん?」
好きじゃなかったとしても、奪えば…
「青柳くん!」
「!?」
俺の耳からは、神代先輩の声がした。
「大丈夫かい?」
神代先輩は、心配した声で問い掛ける。
「ぁ、はい。大丈夫です」
俺は少し戸惑いながらもそう言う。
さっきまで俺は、司先輩の事しか考えてなかったのか…
「…そろそろ時間になりそうだし、教室に戻るかい?」
少し気まずい時間が過ぎた時、神代先輩はそう言った。
時間も近づいてきてると言っていたし、行くか。と思いながら、
「はい、もう行こうと思います。」
と言い、俺は立った。
そして、その場から去ろうとした時
「今日は一緒にご飯を食べてくれて、ありがとね。」
と、神代先輩は嬉しそうに言った。
「大丈夫です!こちらこそありがとうございます、それじゃぁ」
俺はその場を立ち去った。
「…ッ、ふぅ~…」
俺は屋上を出た後、すぐ走って逃げてきた。
足が震えて、その場で立ち込んでしまった。
「はぁッはぁ…」
少し落ち着いて来た時、俺はその場を立った。でも、この想いは落ち着かない。
「…俺が司先輩を奪えば、堕とせば…」
まだ、希望はある。
神代先輩と司先輩が結ばれる事は絶対許さない。
だって……
貴方が好きだから