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数日後、赤月は紫翔をカフェの外に誘った。今まで一度も外で会うことはなかったが、赤月の優しさに心が動いた紫翔は、ようやくその誘いに応じることにした。二人は静かな公園を散歩しながら、何気ない会話を交わした。夜の空気は冷たかったが、互いの存在がそれを忘れさせてくれるような、温かなひとときだった。
「君、こんなふうに誰かと過ごすの、初めてだよね?」赤月がふと聞いた。
紫翔は少し驚いたような顔をしたが、すぐに小さく頷いた。「そうかもしれない。」
赤月は微笑んで言った。「でも、君といると、すごく安心するよ。君はひとりじゃない。ずっと、僕がいるから。」
その言葉を聞いた紫翔は、一瞬胸が締めつけられるような感覚に襲われた。赤月の優しさが、彼の心の奥底にまで届いていくようだった。思わず赤月の腕を握り、静かに告げた。
「…ありがとう、赤月。君がいてくれることが、僕にとって一番の救いだ。」
赤月は少し驚いた顔をし、そして嬉しそうに笑った。「僕もだよ、紫翔。」
その瞬間、二人の距離は一気に縮まり、互いに触れ合う手に、心からの温もりを感じた。