私はある仕事をしている…
ザシュッ…
「終わり…」
私は人を殺している。殺している時は何も思わない…。
ー同情ー ー恐れー ー怒りー
それだけではない。“喜怒哀楽”全ての感情がないのだ。
詳しくいうと、感情はあるが何も思わない。
“本当の自分”が何者なのかも…。
ーある日ー
私はいつも通り任務を終わらせ、戻るところだった…。
にゃ〜
私は動物に好かれることが多く今日も猫が寄ってきた。いつもは撫でないで通り過ぎるが、今日は何故か猫を撫でることにした。
「どうした?」 にゃ〜 タタタッ
キーン💍
「指輪?」
私は指輪をはめることにした。何故かはめなければと思ったのだ。すると…。
バタッ 私は気を失った。
夢のような現実のような不思議な空間で道端で出会った猫と話をした。
内容は、ある人たちを助ける事だ。
意味がわからず聞こうとしたが誰かに呼べれ目を開けた。
「主様、目が覚めたのですね」
まず最初に思ったのは、“罠だったのか? ”だ…。
いつもこういう罠には気をつけろと言われていたのだが…不覚だ。
警戒心を持ちながらはなしを聞く事にした。
白と黒の髪にマゼンタ色の瞳をした人…”ベリアン“に詳しい話を聞いた。
ここは悪魔の館だという事、ここには18人の執事がいる事、ここでは天使が人を消しているという事
つまり、ここにいる執事の主となったのだな…と私は瞬時に理解した。そしてここでする事も…。
私が理解した事に驚いたのか、ベリアンはこう聞いてきた。
「主様は、どうして驚かないのですか?」
…だそうだ。ベリアンの言う通り私は驚きも焦りも何もなかった。
「いえ、慣れているので」
本当の事だ。誘拐、殺されそうになった事は何度もある。数えるのも疲れるほどに…。
慣れていると不思議そうな顔をした。何故そのような顔をするのか私にはわからなかった。
そして、話していて一つ思った事を質問した。
「私に血に匂いはしますか?」
当然ベリアンは驚いていた。それはそうだ。初めて会った人に血の匂いがするか聞かれるのだから驚くに決まっている。だが、私も急にここの主になる事を言われたのだ。おあいこだろう。
急にこんな事を聞かれ何を思ったのかベリアンは…。
「どこか怪我していらっしゃるんですか⁉︎」
まぁ普通の人がこの質問をしたらこう答えるのが妥当だ。だが私は違う。
「いえ、怪我はしておりません」
私が殺しの仕事をしている事はあまり他人に話さないよう”躾け“されている。だからあえてこう答えたのだ。何も間違ってはない。
そして帰らなければと思ったので、ベリアンに帰ると言って指輪を外した。
私は現世に戻った後、すぐさま任務遂行の知らせをした。
”社長“は任務を遂行した奴をよく褒める。そして…任務を遂行できなかった者は躾けをされる。
私も何度か受けた事はあるが、物覚えがよかったのか人よりはあまり受けなかった。
今日も社長は私を褒め、褒美の飴をくれた…が、何も思わない。社長の事は好きでも嫌いでもないが、飴をくれるところは評価してもいいだろう。新しい任務の知らせを受け、部屋を出てすぐさま家へと帰った。
家へ帰るといつも知らない動物達が出迎える。それはいつもの事だから別に良いが、何故かその動物達は綺麗なのだ
飼われているのなら脱走しているという事だ。まぁ別にいいが…。
それと、私は何故か人からも好かれているようで今日も歩いていると話しかけたり、プレゼントを渡してくる奴がいた。いつも入っているのはフリフリとした“いかにも女の子”のような服や髪飾りが入っていた。私はGPSなどがついてないか確かめ、服などをしまった。私は男物も女物もあまり気にしないタイプなのでどうでもよかった。風呂に入り、動物達とゆっくりしているとふと首から垂らしている指輪をつけた。
…やはり現実なのか。
私を見たベリアンは、驚いているようでポカーンとした顔をしていたが突然顔が赤くなり私にきていた服を掛けてきた。どうやら私を“女”だと思っているらしい。そして出ていったかと思えば綺麗な水色と薄紫のグラデーションの髪をした人を連れてきた。
その子は私を見た瞬間顔を赤く染めて自己紹介をした。
「は、はじめまして、俺はフルーレと言います…///」
何故顔を赤く染めているのか聞くと、2人は驚いた顔をしていた。そのあと、どうしてその子を連れてきたのか聞くとどうやら衣装係らしく私の服を作るため採寸をおこなうらしい。
その後、ベリアンは部屋から出ていき私とフルーレの2人きりになった。
「では、採寸しますね」
私は頷くと早速作業に取り掛かっていた。腰回りを測っているとフルーレが何故か驚いたような顔をしていた。
「主様、いつもどのくらい食べていますか?」
そういえば最近はあまり食べていなかったな…と思っていると。
「今すぐロノに食事を作ってもらうよういってきます!」
それだけを言い残して部屋を出ていった。外でベリアンが待っていたらしく急に部屋を出ていったフルーレを見て驚きながら、扉から顔を覗かせてまた顔が赤くなっていた。皆、表情豊かだな…と私はそんな事を考えていた。するとフルーレが戻ってきて
「後少しで採寸が終わりますので、終わったらベリアンさんと食堂に行ってください!」
何故食堂に…?。今はお腹空いていないのだが…。
そう思いながらまた頷いた。
ー数分後ー
普通に早く終わったのかフルーレの手際がいいのかはわからないが、早く終わった。
そして今私はベリアンと一緒に食堂に向かっている。フルーレは片付けた後くるそうだ。
食堂に着くと、テーブルの上には沢山の料理がのっていた 。もうすぐ執事達が食事をする時間なのか?
言い合いをしているのか、奥からは声が響いていた。
next…♡100
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!