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宿儺との戦いは苛烈を極めていた。
崩壊したビルの瓦礫の上、血の海と化した戦場の中心――そこに立つのは、禪院蒼汰。
彼は刀を引きずるように持ちながら、荒い息を吐いていた。
その体はすでに限界を超えている。
宿儺:「フン……まだ立つか。」
目の前の宿儺は、傷一つない。
それどころか、禪院が 全力で放った斬撃すら”見て”すらいなかった かのような態度。
だが、蒼汰は笑った。
禪院甚禰:「……当然だろうが。」
宿儺:「何がだ?」
蒼汰は背筋を伸ばし、血まみれの刀を構える。
禪院甚禰:「なめんじゃねぇよ。」
蒼汰が誇るのは、「冥刃・真影流」 という特殊な剣術術式。
これは、 “自身の斬撃を”過去と未来の両方に送る”術式” だ。
簡単に言えば――”既に斬った”未来の斬撃と、”これから斬る”過去の斬撃を同時に発動する。
この術式を前にすれば、相手はすでに斬られている。
宿儺:「ほう……”真希の流派”か。」
蒼汰:「違ぇよ。」
蒼汰はニヤリと笑いながら、刀を一閃した。
「――冥刃・双絶斬(めいじん・そうぜつざん)」
瞬間、宿儺の腕が”過去”と”未来”の斬撃により、二重に切断された。
しかし――
宿儺の口元に、不敵な笑みが浮かぶ。
宿儺:「フッ……”俺に効く”とでも思ったか?」
切断された腕が、”斬られる前の状態”に戻る。
まるで何もなかったかのように。
禪院蒼汰:「チッ……! やっぱ”無下限”で巻き戻したか!」
宿儺は”解”の一閃を放つ。
蒼汰はそれを避けきれず、右肩を深く抉られた。
宿儺は嗤う。
蒼汰:「面白い……だが、俺に”時”を操作する術式は通じん。」
血を流しながらも、蒼汰は目を見開いた。
――ならば。
最後の賭けに出るしかない。
禪院甚禰:「……なら、”これ”はどうだ?」
甚禰の手が、懐に忍ばせていた “あるもの” に触れた。
宿儺の指――最後の一本。