「 そうですか…ていうか、香音の担当さんってあの…えーっと…502の… 」
「 そうだよ、502の船本さん。 」
「 船本さんなぁ…外科も取ってるみたいだけど、もう点滴も薬も嫌がるから大変なんだよな… 」
「 ほんとに…薬飲んでくれないのはキツイね…俺の時もだけど… 」
「 え、てかあの人の担当のナースさんだれ…? 」
「 えっとね…あ、今村ちゃん!新人ちゃんじゃん…もうちょい考えて配置しろよ… 」
「 ほんとにね。でも良く井植さんがフォロー入ってるの見るよ 」
「 oh… 井植さんなら…まぁ大丈夫かな… 」
「 うん。 」
「 啓二くん入れとけば万事解決っしょ 」
啓二くん…は平野 啓二という看護師だ。
関西弁で「あ、国枝さんやぁ。どうも~こんにちわぁ。」とにぃっと笑う顔が浮かぶ。
「 そうだね…啓二は凄いからね。色々と。 」
そして、少し資料に目を通そうとしたら白神がくしゃみをする。
「 お前、風邪? 」
「 エ、あぁ風邪で思い出した。イナビル出してもらってたんだ。 」
「 えー。朝は? 」
「 37.2だった。薬飲んだらなんとか行けるかなって思って。俺イナビル、めっちゃ効く体質だから。 」
「 そんな体質あんの?あ、それに忙しそうなら俺薬局行ってくるけど…? 」
「 じゃあお願いしたい…仕事多すぎて吐きそう。 」
「 んじゃ、吐かない様に頑張って。日本を代表する心療内科の新星さん。持ってきたらここ置いとくー。 」
「 ん、ありがと。 」
そうして国枝は部屋を出る。