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ヴォルタ         書きたいもの短編集

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ヴォルタ         書きたいもの短編集

9 - 立ち直れる日が来るまで(🦉🎻×📄)

♥

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2024年12月15日

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皆さん………………………。

四季凪アキラさんの新しい歌ってみた「就寝御礼」聴きましたか…?

控えめに言って超最高でした…。


…そして恐ろしいことにそれを聴いたおかげで(せいで)沢山の妄想が蔓延るように頭の中をはしゃいでいるので書かせて頂きます。


察した方もいるかもしれませんが、今回の話は「就寝御礼」を元にsrngで書かせて頂きたいと思います。



※捏造があります。

私の「こうだったら良いな〜!」という妄想です。

ご本人様には一切関係ありません。

地雷様や苦手様は申し訳ないですが、自衛していただけると幸いです。

また、これについて色々な意見がある事は重々承知ですが書かせて下さい!











📄「……はぁ。」



時刻は深夜3時。

白いふわふわとした小さな玉が空から次々へと落ちていく。

星は点々と輝き、その存在を美しいと思わせる。

私はそんな真冬の寒い中、ジャケット1枚で外出していた。



📄「セラ夫と別れて、もう1週間ですか…。」



そう。

付き合っていたセラフ・ダズルガーデンと別れたのだ。

理由は私達の仲が悪くなったとかでは無い。

今している配信活動があるからだ。

それぞれ段々仕事が多くなり、恋人としての時間も取れない。

しかも、有難いことではあるが人気も増えてきて人の目に入ることが多くなっている。

この状況下で、不祥事は流石に勘弁…、ということでお互い納得するまで長期にわたって話し合った結果、別れる事になった。

お互い、この活動を大事に、大切に思ってこその結論だ。

だから文句は無いし、言う権利も無い。



📄「う”ぅ…、寒い…。」



1人、身震いする。

前はこんなに寒く感じなかったのに。

今は体が内側から凍てつくように寒い。

寒いを超えて痛いまである。


この寒い中、ずっと外にいるのは良くない。

…だが、今の私は家には帰りたくなかった。

ならば……、少し遠回りして行こう。


そうして…歩いているうちに、この気持ちもいずれ落ち着くだろう。










ザクッ…ギュム、ギュム……。

かなり雪が積もっていて、歩く度に音が鳴る。

「今年は例年より積もりそう」とニュースで言っていたし、まぁ、このくらい積もるのも当たり前なのかもしれない、


去年は、かなり雪が積もった。

…と言っても1cmくらいだが。

ただ、東京はそれくらいでも珍しいと言える。

セラ夫が「雪だるま作ろう」とか言って、無理やり私を外に連れ出して、小さな雪だるまを作ったっけな。

その後、手が冷たいからって言って私のほっぺで暖をとってたっけ。


…でも、そうやってしてくれた人は今は隣にいない。



📄「ッ…、自分も…、望んだんだ。」


📄「……こんなことで泣くな!四季凪アキラ!」



そう自分に喝を入れて、また歩き始める。









📄「あ、あれは………。」



鮮やかに飾られたクリスマスツリー。

飾りはライトの光を反射して、キラキラと輝いている。

私にはそれがどうも眩しくて、思わず目を閉じた。

それから瞬きをして、やっと慣れてきた目をクリスマスツリーへとピントを合わせる。



📄「…綺麗だなぁ。」



付き合って初めてのクリスマス。

仕事終わりにセラ夫と帰っている時、このクリスマスツリーを見た。

「もう飾られているんですね。」って言って、セラ夫は「ね。風情があるね。」なんて。

その時、セラ夫がぎゅって抱き締めてきて耳元で囁いてくれた「愛してる」は今でも胸に深く刻まれている。


でも…、今は。



📄「…ああ!もう!」


📄「気晴らしに来たのに、これじゃあ……、これじゃ…。」



いても立ってもいられなくなって、クリスマスツリーから早足で遠ざかる。










着いたのは誰もいない、ただ街灯がぽつんとある橋の上。

辺りを見回す。

綺麗な夜景が並んでいて、 浸るのにはちょうど良いとさえ思った。



今は、今だけは、強がるのはやめよう。


そう思うと、何かが切れたかのように悲しみが込み上げてきて、涙が頬をつたった。



本当は貴方と別れたくなかった。

貴方と一緒にいたかった。

恋人でいたかった。

時には活動を捨ててまで貴方と共にいることを考えた事もあった。

でも、この活動を心からやりたいと願っているから。

捨て切れなくて。

捨て切りたくなくて。

でも、貴方と別れるのは嫌で。


貴方と別れてから、夢を見るんです。

別れて、隣にいないはずの貴方が、私を撫でる夢。

嬉しくて、暖かくて、やっぱり私は貴方の事が大好きで。

でも、申し訳なくて。

なんて惨めなんでしょうね。


…こんなんだから私はダメなんでしょうね。

いつも貴方を困らせる。

ごめんなさい、セラ夫。

本当に。

今まで、ありがとう。












それからどれほど経っただろう。

鏡を取りだして、 泣いて赤く腫れ上がった目を見る。


📄「わ、赤………。」


📄「今日、収録あるのに……。」


📄「メイク、濃いめにしなきゃな。」



鏡をカバンにしまい、 私は歩き出す。

もう夜は明けいて、まだ顔を出したばかりの太陽が茜色に輝いていた。



いつか、いつか、立ち直れる日が来るのだろうか。

そんな漠然とした不安を隠しながら、私は今日も進んでいく。



📄「…もし、その時は、貴方に会いに行きますよ。」


📄「頑張って、笑顔で……ね。」

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