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『最後に、今日から新人が入る。』
『え、えと!桜乃美亜です!よろしくお願いしみゃす!』
盛大に噛んだな。
僕が噛んだ時、爆笑してたのに。
とりあえず、拍手する。
『今日から、剣士に女性が入ることを認める。入れたいやつがいれば伝えてくれ。』
そう言って、鬼塚さんは去る。
桜乃さんは専用の服と、剣を受け取る。
『うわぁすごぉい!本物の剣だぁ!』
桜乃さんは嬉しそうだ。
『初めて剣を持った時のワクワク感、わかるぜぇ!』
如月さんも嬉しそうに言った。
さて、見回りに行こう。
今日は第1隊と最近の2人に、桜乃さんが入った6人で見回りに行く。
上峰さんはまだきていないそうだった。
心配だ。
『そういえば銅、手は大丈夫か?』
如月さんが僕の手を心配してくれた。
『もう大丈夫です…』
その手に、ピンク色の絆創膏が貼ってある…
『アッハハハハ‼︎銅、かわいいなそれ‼︎ブハハ‼︎』
如月さんに笑われてしまった。
『もう、痛くはないのか?』
島田さんも心配してくれた。
『もう、ほとんど痛まないですよ。』
だいぶ良くなってはきている。
手を曲げたり伸ばしてみる。
痛みはほぼない。
岡野さんも、心配そうに見ていた。
『心配してくれてありがとうございます。』
皆に向けて言った。
今日はその後、特に問題は起きなかった。
『いいことなんだけどさぁ、なんか起きて欲しかったな〜』
桜乃さんが残念そうに言った。
『まあまあ。これから先、いくらでも起きるだろうからさ。』
そうだろうな。
何も起きなかったと言う方が珍しいくらいだったし、
と、
鬼塚さんがきた。
『お前ら、報告がある。上峰と怪我をしていた3人が、剣士を辞めた。』
え、
そうか…
そうなる気が、どこかでしていた。
今日も、姿を見せることはなかった。
たった半日にも満たない時間しか一緒にいられなかったけど、寂しいものだ。
でも、一番辛いのは…
『そうですか…』
岡野さんだ。
今日も、ぎこちない雰囲気があった。
仲間として共に戦った人を、今日だけで一気に5人なくしたのだ。
それは岡野さん以外の、第2隊の全員だった。
かなり辛いはずだ。
『明日、第1隊は休みだ。ゆっくり休めよ。』
鬼塚さんはそれだけ言った。
暗い雰囲気。
あの時どうすることもできなかったから、後悔していた。
『僕が、弱くて…逃げてばかりで…助けられなかったから……僕のせいだ…』
岡野さんが泣いていた。
悔しそうに。
『あの場にいなかったけど、助けられなかったのは岡野さんのせいじゃないと思うぞ。』
『そうだ、命をかけて戦うんだ。怖くなるのは当たり前なんだ。』
島田さんと如月さんが言う。
『そうだよ!私は防御が下手で、あまし…銅さんに教えてもらって、まだ少しだけだけどやっと守れるようになったくらいなんだから!』
桜乃さんも、続けて言う。
『岡野さんは逃げてなんかいませんでしたよ。ちゃんと戦えてたし、ちゃんと誰かを助けられたはずですよ。』
僕も、言う。
『皆さん、ありがとうございます。僕は、これで失礼します。』
岡野さんはそう言って、帰ってしまった。
『岡野さんまで、辞めることにならないといいのですが…』
それが、心配だった。