ないこと付き合った。
「必要以上に俺に干渉しない」
というのを条件にして。
告白はないこからだった。
俺の事がグループ結成当初から好きだったらしい。
俺は何とも思わなかったが。
「まろ好き!!」
「……あっそ…」
「まろだいーすき!!」
「…ん、…」
付き合い始めてから毎日俺に好きだと言うないこ。
よくもまぁ飽きないものだ。
俺は冷たくあしらっているというのに。
「まろー!!大好きだよ?笑」
「……そ、…」
「まろ愛してる…」
「……、…」
ある日ないこが突然、俺に質問をしてきた。
「ねぇ、まろって俺の事好き?」
俺を見て不安そうな表情を浮かべるないこ。
「、別に……」
俺はそんなないこにいつも通り冷たくあしらう。
「…っ、そっか……」
ないこは少し寂しそうな苦しそうな顔をして微笑んだ。
その出来事から4週間程経った頃だろうか。
ないこからグループ会議が終わった後話があると呼び出された。
「…別れたい…」
別れ話だった。
「ええよ。別に」
俺は特に何もないという風にあっさりと返事をする。
「…!!」
ないこは俺の返事に驚いた顔をして目を見開く。
「…何?なんか他に言いたい事あるん?
俺仕事したいんやけど」
俺は如何にも面倒だという様に溜息を吐く。
「…最後に、1つだけ……。
俺の事好きって言って欲しいっ…」
「は?何で?」
「、だから最後だけ…!、」
「?何で好きでもないやつに好きって言わなあかんの?」
「え、…」
そう言うとないこは絶望した様な顔をした。
何故、そんな顔をするんだろう?
俺ははっきりと言った筈だ。
必要以上に俺に干渉しないと。
それに好きでもないやつになんで好きと言わなければいけないのだろうか。
理解が出来ない。
俺がぐるぐると考えを巡らせているとないこが言った。
「…もういい!!っ、俺だけが一方的にまろの事好きなだけじゃんッ…」
ないこはぼろぼろと涙を流し服の裾を掴む。
「?でもそういう条件で付き合ったやろ?
何が悪かっt」
「悪いよ!!何で、何でI回も好きって言ってくれないの、っ?!
いつもいつも俺が声かけても冷たい態度で!!
まろから言ってもらった事なんてI回もない……」
、何で、どうして?
………俺は、嘘でも良いから好き言って欲しかった…」
ないこは俺の胸板を叩き涙を流し続ける。
「…ないこ、」
俺は泣いているないこに触れようとすると手を振り払われた。
「、触らないで。…もう良いよ。
……俺が邪魔だっただけだもんね、っ…。
…さようなら……」
ないこは怒りと悲しみを交えた顔で俺の元を去っていった。
俺にの元にはないこが付けていた香水と涙の雫だけが残っていた。
そこから数年後、今ないこの隣にはあにきが居る。
最近よく2人楽しそうに話す姿をよく見かける。
どうやら今度はないこからではなくあにきから告白したらしい。
先程あにきとないこがキスをしているのを見てしまった。
2人はとても幸せそうに微笑んで好き、と言いあっていた。
最近、その仕草を見る度に胸が痛くなる。
何故だろうか。
…よく分からない。
一瞬、ないこが言っていた言葉を思い出す。
「……俺は、嘘でも良いから好きって言って欲しかった…」
言葉と共に泣いているないこの姿が頭の中に浮かぶ。
俺が泣かせてしまった。
「…なぁ、ないこ。
俺はあの時どうしたら良かったん、?」
俺は自分の部屋で1人独り言を呟く。
どうしてかその時、俺の胸が今までにない程痛く感じた。
コメント
2件
いやん苦しい…ッッ 好きって一回も言って貰えなかった桃さんも後々後悔する青さんもどっちも苦しい…😖 いなくなってから気づくってやつか…、!! 文才じゃんかよ翠柳ちゃぁぁんッッ、!! こういう話は中々書かないから参考になるよ…🫶🏻💗 ̖́-