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わたし、美奈。中学一年生。
わたしは恋に慎重だ。好きな人はまだいない。
最近、まりと柚が恋バナで盛り上がっていることが多い。「あの先輩がカッコいい!」とか、「今日、目が合った!」とか、そんな話を楽しそうにしている。わたしは聞き役。二人が盛り上がるのを見ているのは楽しいけれど、正直、恋ってどんな気持ちなんだろうって思うこともある。
わたしは恋をしたことがない。だから、わからない。
でも、わたしは焦らない。恋は急いで見つけるものじゃないと思う。好きな人ができたら、そのときちゃんと考えたいし、気持ちを大事にしたい。
そんなわたしに、まりが「美奈も誰か好きになりなよ!」と笑いながら言う。
「そんな簡単に好きになれないよ」
「えー、でも、そうやってるといつの間にか取り残されちゃうよ?」
取り残される。…たしかに。
わたしが通ってきたガッコはリア充率が高かった。
その言葉が、少しだけ胸にひっかかった。
でも、わたしはまだわからない。恋って、そんなに簡単にするものなのかな?
秋の風が校庭の木々を揺らしていた。わたしはその風に髪をなびかせながら、遠くを見つめた。