次の日、私はまた湊と隣席。どうしても気まずい。最初は無視しようと思っていたけれど、湊の顔を見ると、なんだかどうしても反応してしまう自分がいる。今日はなんとなく、昨日よりも少しだけ余裕を持っていようと思っていたけれど、やっぱり湊が私をからかうのは変わらなかった。
「おい、桜庭。まだ調子乗ってんのか?」湊がニヤリと笑ってきた。
「うるさいよ、別に調子乗ってなんかいないし!」私は強気で言い返す。でも、心の中でちょっとだけドキドキしてるのも事実だった。
その時、後ろから声がかかった。「せりな、昨日すごくモテてたね!」振り向くと、悠斗がにっこりと笑いながら私を見ている。
「えっ、悠斗?モテてたって…?」私はちょっと恥ずかしそうに言うと、悠斗は大きく頷いた。「ああ、モテてた!昨日、男子たちがすごく気にしてたもんな。」
「そうだったの…?」私は少し驚いたけど、どうしても信じられなかった。だって、別にそんなに目立ってないと思うし…。
「だって、お前、可愛いもんな。」悠斗は軽く笑いながら言った。
「バカじゃないの?」私は冗談っぽく言ったけど、どこか嬉しくて心の中でちょっと照れた。
その時、隣席の湊が何気なく言った。「お前、男子にモテる割に、自分じゃ気づいてないのか?」
「別に、気にしないし。」私は思わず返事したが、その言葉が湊にとっては面白かったらしい。「あ、なんだ、気にしてないんだ。調子に乗ってるのはそれか。」
もう、湊の言葉に反応するのも面倒くさくなってきた。どんどんとお決まりのやり取りが続いていく。
その後、昼休みになり、私は紗菜とお弁当を食べることにした。湊と悠斗が男子のグループと一緒に話している間、私は紗菜とおしゃべりを楽しんでいた。
「せりな、昨日からなんか、ちょっと変わったよね。」紗菜がにっこりと笑いながら言う。
「え?何が?」私は首をかしげる。
「なんか、モテ期来てる感じがする!学校でも、男子たちが結構せりなを気にしてるっぽいよ。」紗菜が嬉しそうに言った。
「いや、それはないよ。だって、みんなただ気を使ってるだけだし…。」私はちょっと照れながらも、そう返事をした。
その時、湊が後ろからやってきて、「おい、桜庭。」と呼びかけてきた。なんだろう、この感じ。正直、あまり話したくなかったけど、無視するわけにもいかない。
「なによ、またからかうの?」私は少しイライラしながら振り返る。
「からかうとかじゃなくて、まあ、ちょっと言いたいことがあってな。」湊は一瞬真剣な顔をして言った。その言葉が予想外すぎて、私はつい聞き入ってしまった。
「実は、俺、悠斗とお前を見てて思ったんだ。お前、案外面倒見いいんじゃないか?なんか、うまくみんなと接してるしさ。」湊がふと、呟くように言った。
えっ、湊がそんなこと言うなんて…。私はびっくりして、言葉が出なかった。
「ま、どうせすぐにまた調子に乗るだろうけどな。」湊がいつもの調子に戻ると、私は思わず笑ってしまった。
その後、昼休みが終わると、悠斗がまた声をかけてきた。「せりな、一緒に帰ろうぜ。」
「え、いいの?」私は少し驚いた。
「いいよ。今日は湊と一緒に帰るのか?」悠斗がニヤリと笑いながら言った。
「いや、別に湊と帰る気はないから。」私は少し強めに言った。湊と一緒に帰るなんて絶対に無理だし。
その後、悠斗と一緒に帰る途中、いろんな話をした。悠斗って本当に面白いし、時々無邪気な部分があって、気づけば一緒にいるのが楽しくなっていた。
「せりな、意外とおもしろいな。」悠斗が真顔で言う。
「えっ、何それ?」私は少し驚いた。
「うん、なんかさ、他の人が言うことには流されないし、ちょっと天然なとこもあって。」悠斗がにっこり笑うと、私はちょっと照れてしまった。
「そんなことないよ…。」私は小さな声で答えた。
でも、悠斗がこんな風に褒めてくれるのは、正直嬉しい。湊とはまた違った形で、悠斗と話すのは楽しいし、心地よかった。
その夜、私は湊と悠斗、そして新しくできた友達、紗菜との関係を振り返りながら、眠りについた。明日はどうなるのかな?新しい学校、新しい友達、そして少しずつ近づいてくる湊との関係…これからどうなるのか、ちょっとだけワクワクしてきた。
こんな感じで、湊と悠斗、そして紗菜との関係が少しずつ進展し、せりなの気持ちも少しずつ変化していく様子を描いてみました!
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