「〇〇〜!一緒にトイレ行こ!」
なんでわざわざトイレだけに呼ぶか分からないけれど、とりあえず 私は
「いいよ〜!!行こ!」
そう答える。
1人になるのが怖くていつも愛想笑いをして、自分を隠す。周りの目を見て周りに合わせる。
そして相手の機嫌を取るように言葉を選ぶ。
これが私の日常。
いわゆる八方美人。
私はいつも”イツメン”と言うもので集まってる4
人グループで行動している。
学級委員もしている真面目。でも好きな人の、灰谷先輩の事になるとやばくなる優梨花(ユリカ)
そして、真面目なモテ女。結香(ユカ)
そして、天然オーラ全開の杏菜(アンナ)
そして私。鈴菜〇〇。
私はいつも、とりあえずついて行ってるだけ。正直に言うと楽しいって何か。好きって何か。自分って何か。分からない。忘れちゃった。 でも、「私たちイツメンでしょ!」って言われいつも4人で行動している。
「ねね!修学旅行の班、”一緒”にしよ!!絶対ね!」
「”一緒”に食堂いくよ〜!」
「皆でこれおそろしよ!!やった〜!みんな”一緒”!」
「やばいやばい!灰谷先輩からLINE来ちゃった♡どうしようぅぅ(泣)みんな!”一緒”に返事考えてー(泣)」
「みんなで”一緒”に予備校課金しよwテストまじ終わったww」
「イツメンサイコ~!!これからも〜ずっと”一緒”」
「みんなで”一緒”にここ行かない!?期間限定なんだって~!」
一緒、一緒、一緒、これは友達からの愛?仲が良いだけなのかな。イツメンって言うのは、これが普通なのかな?
いつもクラスの中で1人でいる【黒川イザナ】くん。周りからは”不良” ”暴力” などの言葉で皆から怯えられ誰も彼に近寄らない。
私も同じ。彼には怖くて話したことも近寄ることも怖かった。出来るだけ彼とか関わりたくない。
でも、心の端で少し「いつも一人で自由で、自分の意志をしっかり守ってて良いな。」
そう思っていた。
ある日【黒川イザナ】くんから
「お前って大変そ。イツメンって言葉で全部一緒にさせられて面倒くさくねーの?」
そう言われて私の人生、変わりました。