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古より、異能演舞は畏怖をもって扱われてきた。異能の極致にして、魂と異能を重ね合わせ、物語を編むことで進化を遂げる。
されど、この力には一つの禁忌があった。
異能演舞が一つの場にて複数同時に発動せし時、現実は負荷を受け、”バグ”が発生する。
この”バグ”とは、現実の理を逸脱し、世界そのものに綻びを生じさせる異常現象なり。
“バグ”発生時の現象例:
・空間の歪曲、時間の加速・逆行・停止
・存在しないはずのものの出現、あるいは消滅
・異能の暴走、進化、融合、または分裂
・使用者の精神・肉体への干渉、人格の多重化や消滅
そして、この”バグ”の最大の特徴は、エネルギーの誕生である。
異能の根源から溢れ出す純粋なる力。物語と物語が交差し、矛盾し、干渉し合うことで、エネルギー体が形成される。
これはまるで、神が降臨せんとするかの如き恐ろしき力。
霧島:「…くっ、まさかこの力を使うことになるとはな。」
霧島の異能演舞「シートン動物記」が再発動。彼の周囲には獣の幻影が現れ、生きた物語が具現化し始める。
狼の遠吠えが響き、鷲が舞い、熊が大地を揺るがす。
ライア:「さぁ、もっと壊れろ…もっと…!もっとだあああッ!」
ライアの「破戒」が同時発動。壊れゆく彼の肉体は次第に狂気と力を増し、空間そのものが震え、黒い亀裂が走る。
そして――その瞬間、”バグ”は起きた。
空間が一瞬にして静止。次いで、音も光もない中に、何かが”生まれた”。
――エネルギーの塊。
それは星の誕生を思わせる光の渦。圧倒的質量を秘めたそれは、目に見えるはずのない”存在”を形作りつつあった。
霧島:「…なんだ、これは…!?」
ライア:「あは、あははは…!見ろよ、霧島ァ!これは…俺たちが生んだ”神”だぜ…!」
光の渦は次第に形を持ち始める。無数の目を持つ巨大な存在、異次元の影。
確かなのは、このエネルギー体が世界そのものを変えうる力を持っているということ。
霧島:「…ヤバい、これは…!」
“バグ”はまだ始まったばかりだった。