ガチャッ…ギィィィ…暗闇の中、重い扉が開く音がする。ピッと音がすれば部屋の明かりが眩しいほど照らす。
「ただいま、良い子にしてた?」
ぼやける視界の中、一人の男が目の前にしゃがんで俺をジッと見ている。眉間に皺を寄せながら顔を見ようと目を細める。
「あー、だめだめ、顔を見られると困るからね」
そう言いながら男は黒い布で俺に目隠しをし、視界を塞ぐ。あと少しで顔が見れたのに。
「そんなに怖い?誘拐されるのは初めてだよね、食べ物持って来たけど、食欲は?」
そう…俺は1週間前に誘拐された。理由は分からない、俺を誘拐した相手も…分からない。なんで俺がこんな目に遭わなきゃならないんだ…俺はただ、普通に、誰かに害を与えることもせず生きてきただけなのに……でも…腹が減った…誘拐された日からずっと…恐怖で食欲も無かったからな……俺は状況を理解するのが早い…他の奴なら泣き叫ぶだろ……今は何か腹に入れるのが優先だ…口は布で塞がれてるし…頷けば犯人も理解するだろ…。
一度頷けば男が口を塞いでいる布をそっと外す。
「…よかった、一週間何も食べなかったから辛かっただろ?先ずは水を飲もう、ほら、口を開けて、あーん、ってするんだよ。」
『ッ………。』
本当に水か…?何か怪しい液体でも飲まされたらどうする…吐き出せばいいのか…
そう思いながら恐る恐る口を開ける。スプーン1杯の液体を口の中に入れられる。
「安心して、ただの健康水だよ」
『…………。』
確かに、無味の水だ、嘘は吐いていない…
「ほら、ごっくんして」
『ッ”……。』
ゴクッ…と喉仏を上下に動かしながら水を飲み込む。
「いい子、上手に出来たね、それじゃあ何食べたい?パン?ご飯?麺類?肉?魚?野菜?」
『…ッ…野菜と…肉……』
なんでそんなにレパートリーがあるんだよ…気持ち悪ぃ…そう思いながら、野菜と肉を所望する。
「野菜と肉ね、分かった。肉温めるから、ちょっと待ってて」
ガササッ。袋を漁る音が聞こえる。ガチャッピッピッ…ピッ。ピロリ♪電子レンジの音。男は俺に近付いて軽々と持ち上げる。約1週間何も食べていなかったから…体重が落ちたのかもしれない。
「椅子だよ、座って」
クッションが敷かれた椅子に座らされる。ふかふか…すると、ピーッピーッピーッ。電子レンジが止まった音がした。
「あぁ…お肉、食べたいんでしょ、持ってくるね」
男は傍から離れて肉を取りに行く。その間に逃げられるかもしれない、そう思っては立ち上がろうとする。
『ッ…?』
違和感…足の感覚が無い。
「…?あれ…もしかして立とうとしてた?無理だよ、諸事情で今君は立てない。」
言葉を霧のように暈さなくても分かる。無い。俺の足が無い。あるのは後で縛られた手と胴体だけ…
『ッ”…ぅ゙…ぁ゙…ぁ゙あ゙…!』
泣き出しそうになる。憎い…悔しい、誘拐される前は両足あった、なのに今は……
「泣いちゃダメだよ。いい子だから我慢できるよね?」
男は睡眠薬を染み込ませた布で俺の口を塞いで黙らせる。意識が遠くなる。何も考えられなくなっては眠りの深い場所に落ちてしまい
「まだ受け入れられないか…仕方無い、もう少し時間をあげよう。」
男は俺を抱き上げて寝室に連れて行く。目隠しをしたまま寝かされて一緒に男も眠る。
「またお肉…ダメになっちゃったな…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーキリトリーーーーーーーーーーーーーーーーー
はーい!では、【誘拐犯からは逃げられない】いかがだったでしょうか!
オリジナルの人物と物語を書くのは初めてで上手く書けたか分かりませんが、読んでくださり、ありがとうございます!
この作品を誰か一人でも最高!と思ってくれましたら、次回、第2話を書きます!2話を早く読みたい!って人はコメント欄!よかった!って思ってくれた人は、ハートを!
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コメント
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初めて文章系の物を見たけど、これはガチで面白かった!楽しみにしてます
続きが見たいです🥹🫶🏻楽しみに待ってます!!