「俺と、旅をしてくれない?」
唐突な誘いに思わず固まる
「··· なんで?」
彼とは顔見知りでもないし、まあ俺はそれなりに戦えるが、それでも理由が分からなかった
「んー。この町の人にジスっていう腕利きの双剣使いが旅して来てるって聞いて。戦闘の場面ではおれは奇襲とか不意打ちに弱いから」
淡々としている彼はそこまで言って少し良いよどむ
「···あと、何かが違ったんだ。他の人と」
彼はぎこちなく口角をあげる
微笑んだつもりなのだろう
俺はそのぎこちない笑みに強く惹かれた
ほっとけない、といった感情だろうか
先ほど思ったとおりあからさまに寂しそうだとかそうゆう感情が見えるわけではない
でも彼の拒絶の意思が見えるスキルもあってか彼の事を知りたいと思った
「どうかな」
「···わかった。じゃあその旅に同行されてもらう」
俺がそういうと彼はかすかに安堵したように見えた
感情がないわけではないのだろうか
「良かった。」
「そういえば名前は?」
彼を見ていてまだ名前を聞いていないなと思い至る
「そっか、まだ名乗ってなかったね。俺はサク。よろしくね。ジス」
「よろしく。サク」
俺はこうして彼、 もといサクと出会った
前話からちょっと間空いちゃいましたね
それに短い
こんな感じでのんびり更新になります
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