先ほどから言っている通り俺は他の人のスキルの使用状況等が分かる
普通の人には分からないそれが分かるのは俺が持つスキルの効果だ。
俺の持つスキルは『能力操作』
自分が他人のスキルの影響を全く受けず、他人が何のスキルを持つのかや使用状況が分かり、他人のスキルの使用を妨害したりする事が出来る
大まかに言えばスキル全般を操ったり操作出来るのだ
でも彼。サクのもつスキルだけ分からない
なんでだ?
目の前で食事を口に運んでいるサクを見ながら俺はそんなことを考えていた
今は二人で飯屋で飯を食っている所だ
サクは黙々と飯を食っているが俺はサクの事が気になってほぼ無意識に飯を口に運んでいるだけで味わったりもしていない
「唐突だが、サクは何か目的があって旅をしているのか?」
さっきまで黙っていた俺の質問にサクはふっと顔をあげる
「目的?···特にはないよ。ジスは何かあるの?」
少し思案してからサクは軽く首をふって答える
「そうか。まあ俺も特に目的はないんだが。ちなみにサクはどんなスキルをもっているんだ?」
「俺は···」
少し口ごもったサクに、やはり何か特殊なスキルなのだろうかと思う
サクからはどんなスキルかは分からないもののその物腰の柔らかそうな雰囲気とは対照的な重くて棘のあるスキルの気配が感じられた
「操作系···かな」
少しの逡巡ののち帰ってきた答えは曖昧なものだったがこれからの旅で分かるかとも思い追及はしないことにした
そのあと俺のスキルの話をしつつ食事を済ませその日は解散することにした
俺のスキルについて離している間に見せた、感情が見えない彼のわずかに驚いた様な表情は少し気になったがそれも結局追及はしなかった
明日からサクとの旅が始まる
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