宙に舞う

運悪くなつはいるまとライブ練をしていた。

理由は簡単。なつとライブ練をするはずだったすちが熱中症で倒れたからだ。

そこで仕方なく代理となったのがいるまだ。

3日前、なつはいるまに想いを打ち明けた。それから互いが互いを避け合っていた。

徹底的に避けていたなつからすると、たまったものではない。

単刀直入に言うと、気まずい

そうなるのも当然だろう。話しかけることをただ避けていたのだから。

いきなりこんな状況になり、混乱と気まずさが思考を埋め尽くしている。

（こんな事になるなら、ダンス練サボればよかった。）

いるまが聞けば怒鳴られるだろうことを心に閉じ込めておく。

なつの体はいつにも増して重く、ゆっくりしたものだった。

それをなつは、気持ちのせいだと思っていたのだが、そうでもなかったようだ。

頭がくらくらして、足が上がらない。

視界が回って、気持ち悪い。

こんなの、俺の気持ちが沈んでるから、体もこんなにだれるのだろう。