12月6日夜。戦いを控えた呪術師たちが右往左往する中、当の宿儺はというと…
「ふぅ…静かだな。」
宿儺は料亭の個室に腰を下ろしていた。目の前には豪華な酒と肴。
「ククク…人間どもが慌てふためいている間に、俺は至高の時間を楽しむ。」
彼は杯を持ち上げ、優雅に一口。
「うまい…!」
しかしその直後──
「うえっ、つっっっっっ!!!」
宿儺は思わずむせ返った。
「……ちょっと待て、これ度数高すぎんか?」
彼の目の前にあるのは 『超鬼殺し・呪霊仕込み特級日本酒』。そのアルコール度数は驚異の 99.9% 。
「なんだこの液体は…毒か?」
「いや、酒だろ。」と自分にツッコミを入れる宿儺。
するとそこへ、板前姿の料理人がやってくる。
「お客さん、いかがですか?」
宿儺は睨むようにして言った。
「これは酒ではなく拷問だろう。」
「いえいえ、特級呪霊仕込みの逸品ですよ。呪力が高いほど美味く感じます!」
宿儺はそれを聞いて むっ… となる。
「なるほど、呪力が高いほど美味いと…?」
料理人は自信満々に頷く。
「はい!実際、過去にこれを飲んで生き残ったのは、お客さんと、あともう1人だけです。」
「誰だ?」
「…忘れました。」
宿儺は驚いた顔をした。
「おい。」
宿儺は再び酒を見つめた。
「ククク…まぁいい。俺ほどの者なら、この酒を楽しむ資格がある。」
彼は慎重に酒をすくい、今度は ゆっくりと 口に含んだ。
「ふむ…確かに、呪力を巡らせれば…」
ゴクッ…
「おおっ…」
──ゴクッ…
「ほう…!」
──ゴクゴクゴクゴク!!
「っぷはぁぁぁ!!!」
宿儺、満面の笑み。
「これは…イケる!!」
料理人が拍手する。
「さすが宿儺様!お見事!」
宿儺はニヤリと笑い、杯を掲げた。
「よし、つまみを持ってこい!」
料理人は即座に動く。
「へい!本日は 『呪霊のタタキ』『呪術ホルモン』『呪具漬けの漬物』 をご用意しました!」
宿儺はそれらを眺め、軽く首を傾げた。
「…微妙に嫌なネーミングだな。」
そこへ、襖がガラッと開いた。
「おい、こんなところで優雅に飲んでていいのかよ。」
現れたのは、裏梅だった。
宿儺は杯を置き、ニヤリと笑う。
「ほう…貴様も飲みに来たのか?」
無言で席に座ると、料理人に向かって言った。「いつものをくれ。」
料理人は慌てて奥から何かを持ってくる。
「お待たせしました! 『呪具入り熱燗(爆発の可能性アリ)』 です!」
宿儺は思わず吹き出した。
「何だそれは。」
店主は冷静に答えた。
「一か八かの味がする。」
こうして、『宿儺VS裏梅の飲み比べバトル』 が幕を開けたのだった。
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