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若づくりの続きです。
山本氏の実際の年齢がかなり高齢で有り、彼は、面白グッズの覆面やカツラで若づくりをして、入社したことは以前述べた通りで有る。彼はある日、若いアポの女性からジッと見られている事に気付いた。彼女は不思議そうな顔で、彼をジロジロと観ていた。他にも「山本さんはお若いですね。こういう仕事じゃ無くても、色々お仕事があるんじゃ無いかしら?」と60代の女性から聞かれた。「僕はどうも協調性が無いんで、気楽な方が良いんです。」と言った。ところで彼の強みは、声が若々しいという事だった。80代にもなれば、入れ歯や歯医者の通院で、フガフガ喋る方が多いが、彼は全く虫歯知らずだった。
しかし、突然彼は顔が痒くなり、頭も痒くなった。我慢出来ずにボリボリ掻きむしり、思わず覆面が取れてしまい、カツラが落っこちた。周囲は唖然とし、口も聞けなくなった。老人は、突然時が止まったかの様に、空を睨み倒れた。
この会社は惜しい人材を無くしたのかも知れない。御陀仏さんになった彼は、丁寧に社内に祀られ、集金の神となった。