俺は足を止めた。
(うぁぁぁ、なぜ来たんだ俺!)
竜凰は、一条がバイトをしているホストクラブに足を運んでいた。女性達がぞろぞろと入っていっている。
(そんなに有名なんだ…)
止めていた足を動かし帰ろうとした時、どこからか名前を呼ばれた。その声はどこか聞いたことのある声だった。その方向に目を向けると、マスクなどで顔を隠している一条がいた。
「なんで、竜凰がここに…?」
「用事があったんだよ」
バレないようごまかした。一条はすこし戸惑っているようにみえた。
「かい〜」
後ろから声が聞こえた。
「おう、れお」
一条の知り合いみたいだった。そいつは俺に気づき、フレンドリーに肩を寄せてきた。
「かいの友達?」
そう聞かれ、困ったため黙ってしまった。
「まぁ、入ろーぜ」
そう言いながら、そいつは強引に俺の手を引っ張り、連れていった。
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