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──アバロンオブラグナロクの城の一室。
「はぁ……なんでこんなとこまで来なあかんねん……」
ツンデレ女剣士・桃内みりんは、豪華すぎる部屋のソファにどっかりと座り、深いため息をついた。
「ったく……男はホンマに信用ならんっちゅーねん。なんであんな王様のとこにサブがおんねん?」
みりんは腕を組み、むっすりとした表情で天井を見上げた。
サブ──あの目のクマがすごい金髪のアホ勇者。出会った頃から「なんやこいつ?」って思てたけど、まさか王様にまで気に入られるとは思わんかった。
「せやかて、あの王様、なんか胡散臭いねん……」
みりんはじっと窓の外を見た。アバロンオブラグナロクの城下町が遠くに広がっている。美しい街並みや整った石畳の道。それでも、みりんの心はざわついたままだった。
「……この国には、なんかある。」
みりんの右腕から首にかけて彫られた青薔薇の刺青が、微かに冷たい感触を伝える。これは彼女がかつてマフィアギルドに売られた時につけられたものだ。今でも消えない痛みが、彼女に過去を思い出させる。
──みりん、剣を持て。お前は道具や。
「っ……!」
記憶が蘇り、みりんは思わず胸を押さえた。あの頃は毎日が地獄やった。でも、今は違う。今は自由や。
「……あかん。過去のこと考えてもしゃーない。」
そう自分に言い聞かせながら、みりんは立ち上がった。
「とりあえず、サブのアホの顔見に行ったろか。」
せやかて、アイツがどんな顔しとるか、ちょっと気になるしな──。
みりんは不機嫌そうな顔をしながらも、どこかワクワクした気持ちで部屋を出た。