大学生になって、お金の事を考えるようになった。
今まで欲しいものを言えば与えられてきた。
自分でもかなり甘やかされて育ってきたと感じている。
高い娯楽品を買う度に、お金は無くならないのだろうかという疑問が湧き上がってはきたが、特に気にしなくてもいいと言われたために、無視し続けていた。
お金は、大きいものを沢山買い続けない限りは永遠に無くならない。私は、他の皆が悩んでいる事で気を煩わす必要は無い、とどこかで無敵モードを引き摺っていた。
もうお金に余裕が無いと分かったのは、いつもの急にくる思いつきで映画を見に行った時だ。なんだかんだ言って、最後には全額支払ってくれる親が
「お金が厳しくあまり贅沢はさせられない。ポップコーン、買ってもいいけど後で映画のチケット代と一緒に返してね」
と言った。
ああ、もうお金の底が近いのだと思うのと同時に心の中に石が落ちていった。
今までいっぱい甘やかされて来たのだ。ずっとずっといい思いをしてきたのだ。自分の勝手気儘を鎮める時なのだ、と。
いつも何か買ってもらう度に罪悪感があった。
ずっと無視し続けてきたその罪悪感に向き合う時が来たのだ。
人間は、生活水準を簡単には下げられないと言う。好きなだけ好きな物を食べていたけれど、もう節約する必要がある。
衝動的な消費も押さえつけなければいけないな。
ああ、眠たい。
寝る前に食べなければ、よく眠れて肌が綺麗になるそうだ。
美容に気を使うという名目にして頑張ってみようか。