コメント
1件
ちゅぅぅぅぅぅやぁぁぁぁぁ、!!!! が見てるぞ!冷血!!阿呆鳥!!最高!! 地震が怖いのかぁ冷血!かぁい!!!
阿冷
「はぁッ…はッ、駄目だ…来ないでくれ、嫌だ、辞めてくれ……」
真冬の日の、とある夜明けの事だった。
肌を劈く様な張り詰めた空気の中、僕と彼の生温い体温だけが布越しに伝わる。
寒さが厳しくなればなるほど反射的に互いの身体を求め、最終的には磁石の様にピッタリと身体をくっつけ合っている、だからこそ隣で眠る冷血の身体の震えが手に取る様に分かるのだ
嘯く様な自己防衛から繰り出された慰めの文句で満たされた彼の様子は何処からどう見ても可笑しかった。余りにも嗚咽が酷く過呼吸気味になっているものだから熟睡から呼び戻され、パチリと瞳を開いた
「如何したの?よしよし、そんなに震えて…大丈夫だよ」
「阿呆鳥……」
彼の全てを受け入れるかの様に両腕を広げる、其れに対して彼は飛び付く様に身を託した。ちょこんと僕の肩に顎を乗せた彼を優しく撫で下ろすと彼はベッドサイドに置いてあるテーブルをチラリと見た
其の先には呑みかけの葡萄酒の瓶が置かれており其の中身は激しく打つかり合い揺れていた。嗚呼、地震があったのだろうと察して冷血に言い聞かせる様に言った
「大丈夫、大丈夫だよ。冷血。」
そう慰めている間も刻々と揺れは大きくなっていく、窓がガタガタと揺れ遂には耐え切れずに割れてしまった。
完全にパニック状態になって腰が抜けた冷血をおぶって逃げるのは確実に不可能だ。
真逆、こんな終わり方をするとは思わなかった。
「冷血、このまま此処にいよう。このまま終わらせちゃおうよ」
背中を切り裂いた硝子片が更に身体の中へと食い込んでじくりとした痛みに眉を顰めた。涙で顔をぐちゃぐちゃにした彼は慰める様に首筋に接吻をした
大地が咆哮を上げ、僕等の身体は激しく壁に叩き付けられる。打ち所が悪かった様でぐったりとした彼を強く抱きしめた
「来世はずっと一緒に居てよね?」
其の言葉を最後に僕自身の手に握られた硝子片によって動脈が裂かれた
世界が崩れる。其の言葉の様に乾いた轟音と共にとどめを刺す様に僕らの元へと天井が落ちて来た
「愛してるよ、冷血」
君の過去に何があったのかはわからない。けど、これが僕なりに出来る一番の寄り添い方、愛し方なのだと思う。
例え、其れがただの綺麗事なのだとしても、愚かな選択なのだとしても、終わらせようと言った時の彼の安らかな笑みが脳裏にこびりついて離れない。
薄れ行く意識の中、目の前には表情を暗くした中也が此方を見つめていた