僕は神様である。
苦しんでいる人を良き道へ導き、悪人を正しき場所へ送り出す役目を負っている。
今までの人間たちの今の姿を見ようか。
「ねえ✕✕。」「ん?」私は答えた。
「高校生の時さ、なんか✕✕好きな人いなかった?」
古くからの友人が言った。
「ええと、誰だろう。」
「え、忘れたの!?あんなに好き好き言ってたじゃないのー。」
「え、そうだけか、ん?誰のことだろう、、、。」
私は今その友人と久しぶりに会って昔の話をしていた。
高校生、それはもう8年前のこと。
「あれ、、ほら、飴?くれてた人。」飴、、、あ、、、もしかして、、
「わかった!思い出した!あの人かあ、、なんか今思えば不思議な人だったなあ。」
彼の名前を知らないけれど学校に行く時、彼はいつも飴をくれた。
泣きたい時は励まして「魔法の飴玉」をくれた。その魔法の飴玉なのだが、本当に魔法のようなのだ。
何故かそれを舐めると心が落ち着いて悲しかった苦しい気持ちがすっとなくなる。
私はそんな不思議なものをくれる彼に恋心を抱いていた。
彼は今どこで何をしているのだろう。
「✕✕?大丈夫?」
友人がぼーっとしていた私を呼んでいた。
「んーなんか彼のことを思い出してた。」
「え〜何恋しいの?」
「そんなわけないじゃん!」
「だよね〜、✕✕にはもう彼氏いるしね〜。」
そう、今私には大切な人がいる。
大学生の時に出会った。
昨日プロポーズされて結婚していいのか迷っている。
結婚したら愛が薄れてしまい、喧嘩などが増えてしまうのでは無いのかと、、。
友人と別れる時、彼氏が迎えに来ていた。
彼氏はとてもいい人で一緒にいて安心出来る。
少し恥ずかしい気持ちで彼の元へ行こうとした。その時、トントン、と肩を叩かれた。
振り向いたらあの時と全く姿の変わらないあの人がいた。
飴をくれた人だ。
私は驚いてぼーっとしていた。
彼は私の手を取りそして、、、飴玉をくれた。
「これが最後の魔法の飴玉。彼とは結婚してもこの先問題は無いよ。だから安心して結婚していいんだよ。これが僕からの最後の言葉。だからあまり無理せず考えすぎずに頑張ってね。」
彼の今までの言葉は全て本当だった。
だからこの言葉も信じていいのかな。
彼と安心して結婚していいのかな。
「うん。いつもありがとう。」
彼は微笑んだ後人混みの中にすっと溶け込むように姿を消した。
いや、本当に消えてしまったのかもしれない。
きっと彼は神様なのだろう。
あ、彼に名前を聞くのを忘れていた。
私は袋をぴりっと切って飴玉を口の中に放り込んだ。
なんかやさしい味。
その袋には、「幸の飴」と書かれていた。
彼氏に「帰ろうか、、。」と言われ、私は彼の手を繋ぎ、「うん!」と言った。
そして耳元でそっと「私はあなたと結婚したいです。」と言った。
彼は顔を真っ赤にし私を抱きしめた。
友人が近くで笑って祝福してくれた。
私は幸せな気持ちでいっぱいだった。
コメント
3件
ぇ━(*´・д・)━!!! とても感動した!!なんだろうσ( ̄^ ̄)? 私も飴をくれる優しそうな人に 会いたい(?) これからも、 ٩(。•ω<。)و頑張ってねん✧ファイト‼ 下手くそな夢小説書いてる私が 認める!!