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🌈🕒、hrty初書きです。物語の表記上、微kgfw表現があります。ご注意ください。
会話文表記→名前「」
hrとtyがkgmとfwを尾行する話
ty side
ty「ちょっと甲斐田くんもう少ししゃがんで」
hr「だったらもちさんが前に出てくださいよ!」
ty「静かにしろよ!バレちゃうでしょ」
僕が口元で静かにとポーズをとるのを見た甲斐田くんは「はぁ…」とひとつ溜息を漏らした。
僕たちなにやってるんだろ…
違和感は確か1週間くらい前のろふまお塾撮影からだっただろうか。
ty(…近くね?)
ユニットを組んでから早3年目。それなりに絆も芽生えてると思うし、自分の許容範囲も広くなってるのは承知している。
だけど…
ty「ね、ねえ甲斐田くん…」
hr「ん?どうしたのもちさん」
ty「あのさ僕の勘違いかもしれないんだけど」
hr「うん?」
ty「あの2人、最近距離近くない…?」
横で水分補給していた甲斐田くんにコソッと声をかけ、奥で談笑している社長とふわっちの方に手を指す。
hr「え゛っ!やっぱりもちさんもそう思う!?」
飲みかけていた水をごぽっと吹き出して驚く甲斐田くん。汚ねえなあ…。
ty「やっぱりって、甲斐田くんも同じこと思ってました?」
hr「思ってました!思ってました!最近やたらと2人でいること多いよね…?」
実際、加賀美社長とふわっちはグループを結成する前から元々仲がよかった。だから2人の距離感とかたまに近いなーとは感じてたけど、流石に気になってしまう。
hr「怪しいっすね」
ty「だよね」
hr「…尾行とかしてみます?」
ty「…………するか」
ここまできた2人を止める者は現れなかった。
僕自身、人のプライベートに興味が無いというのは嘘になるが、干渉することはあまり好ましくない。
人には一つや二つ隠したい事があるだろうし、なにより配信者ならそれが普通だろう。だけどこっちの立場は同じユニットのメンバーであり、同僚であり、そして先輩でもある。なら多少は知る権利くらいあるだろう。
なにより…
hrty ((めっちゃおもしろいし…!))
クソガキと一度気になったことはとことん調べてしまう研究者の2人の目に付いたら、それは終わりの合図である。
と、吹っ切れて早速次の撮影日から尾行しようと相談し、当日。
ろふまお塾の撮影が終わり、ターゲットである2人はお先にと足早に帰って行った。
甲斐田くんと目を合わせて頷き、我々も楽屋を後にする。
2人にバレない程度に追いつくのはそこそこ大変だった。探偵って難しいんだなと、どこかのシェリンさんを思い出した。
会社を出て数分、2人は立ち止まってふわっちのスマホに目を向けていた。
僕たちはすぐさま電柱の裏に隠れる。
何かと勘が鋭いふわっちに気づかれたら元も子もないので、距離をとって様子を伺う。
そして冒頭に至る。
ty「甲斐田くん、スマホの画面見える?」
hr「無理だよ距離あるし、てかもちさんの方が若いんだから目いいでしょ」
ty「生憎現代の子はブルーライトのせいで目が悪くてね」
hr「現代の子って…こっちがジジイって言いたいわけぇ!?」
ty「実際そうだろ。あと声でかい。コロすぞ」
hr「こっわこの人…」
コソコソと言い合いをしていたら2人がまた歩き始めた。 僕たち2人も足音をなるべく小さくしてついて行く。
数分経ったあと、突然バッとふわっちが振り返ってきた。
甲斐田くんに手を引っ張られて公園沿いの低木 の裏に隠れる。
kg「?不破さんどうかされました?」
fw「なぁーんかつけられてるような気ぃしたんやけど….気のせいかぁ?」
kg「つけら…!?大丈夫なんですかそれ!」
fw「まぁだいじょぶっすよ〜しゃちょー強いしね」
kg「えぇーw」
しーっと甲斐田くんがさっき僕がやったポーズをする。
え、何それ。なんで君がやるとそんなに絵になるの。
ていうか、距離ちか…
細身とは言っても立派な大人と高校生。そんな 2人が低木の影に収まるにはあまりにも狭すぎるため、自然と物理的な距離が縮まる。
あ、甲斐田くんの匂いだ
なんて考えてしまう自分が嫌になる。
自分の気持ちには完全に蓋をして忘れるようにしていた。
そう、僕剣持刀也は目の前の男、甲斐田晴に恋心を抱いていたのだ。
ユニットを組んでから数いるライバーの中でも交流が一段と増えた人。犬のように慕ってくれる大事な後輩。そんな存在だったのに…。
垣間見れる彼の人情とか、普段は情けない姿ばかり見せるくせに急に大人なところとか。透き通る唯一無二の歌声とか。そういうのがきっと僕の心を掴んできたのだろう。
まぁ、こっちは永遠の16歳。相手は異世界の研究者。その時点でこの恋の行方なんて分かっていたから、この恋心がなくなるまで時間さえあればなんとかなるだろうと考えていた。
だけど数週間前に社長に気づかれたのだ。それはもう自然に。剣持さん、甲斐田さんのこと好きですよね?って。
確かに大事な後輩ですけど…。と返した僕に、あぁ違う違う、恋愛的な意味でですよと言ってきた社長はもはやエスパーではないか。
「おーい」
でもあれ以降変に応援とかはされてないな…
hr「おーいもちさんってば。聞いてる?」
ty「わぁ!?あ、すみません」
ふと気づくと桜を浮かべた空色が僕の顔を覗いていた。
hr「ふふ、顔赤いけど大丈夫ですか?今日暑いもんね。少し休憩します?」
ty「ううん、大丈夫です」
hr「そう?じゃあ行きましょうか。2人とももう歩き始めたし」
ty「…うん」
そしてまた遠い先に見える2人を追って歩き始めた。
あぁ、もう
落ち着けよ、心臓。
続きます!!!!!