北斗side.
ガシャン!!!
「ッ…!!」
『…』
[…え、さっき大きな音がしたけれど…]
「!」
[どうしたの?]
[…って、子どもの上に看板が落ちたの!?]
「…コクッ」
[救急車、呼ぼうか]
「…はあっ、はあっ…」
「ひぐっ、うわぁ…」
[…怖かったね、でももう大丈夫]
[お友達はきっと助かるよ、]
ピーポーピーポー…
〈救急隊員です〉
〈子どもが看板の下敷きになったと聞きましたが…〉
[あっ、はい!この子です!]
〈…意識がないですね〉
〈すぐに病院へ搬送します〉
[よろしくお願いします、]
〈…ん、そちらの子は?〉
「!」
〈怪我はないかな?〉
「コクッコクッ…」
〈そっか、気をつけて帰ってね〉
「…ペコッ」
急に大切な人を失ったショックで、助けてくれた大人や救急隊員の方に声を出すことができなかった。
小さい頃の俺は、状況を説明できるほど冷静になれなかったんだ。
息が上がったまま、その日は家に帰った。
次の日、母さんがこう言った。
『北斗、大我くんのことなんだけど…』
「…!!」
『大我くん、他の県にある大きな病院に入院するみたいよ』
『まだ命が助かる保証はないって…』
「、そんな、」
『急なお別れで悲しいけど、大我くんが助かることを祈りましょう、』
「…」
それっきり、大我とは一度も会っていない。
言葉も交わしていないし、今どうなっているのかもわからない。
大我が今、この世にいない可能性だってある。
だけど、彼ともう一度だけ会いたくて
もう一度だけ話したくて
もう一度だけ顔を見たくて
もう一度だけ笑い合いたくて
もう一度だけ一緒にご飯を食べたくて
もう一度だけあの道を一緒に歩きたくて
そして、想いを伝えたくて。
彼をどこかで探してしまっている俺が今だに消えない。
コメント
7件
きょも氏... 無事に生きてると祈っとこう。 また、北斗と会って笑って話してくれぇ
きょもめろたーん… もう一度北斗に会って話してあげて… 更新してくれてありがとうございますっ🙌🏻🙌🏻💕
きょもー! お願い北斗くんと会って話して 笑って って思った 今日も神作品ありがとう🩷🖤