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何の変哲もない、ふうつの朝だった。
目を覚まして
オールマイトコラボアラームを止めて
オールマイトコラボベッドから降りて
オールマイトコラボ歯磨きで磨いて
オールマイトコラボのパンを食べる。
僕は普通の朝を過ごした。
いつもの日常をおくるはずだった。
緑谷「おはよう!麗日さん!」
寮の共有スペースで麗日さんがお茶を飲んでるのを見かけて、声をかけた。
可愛らしい彼女は、意外にも素朴なコップを使っている。
麗日「あ..うん、おはよう」
それだけ言って去ってしまった。
まあ、体調が悪かったのかも..
悪いことしちゃったな..
その時はこんなことを考えてた。
上鳴「おッス緑谷!おはよ!」
緑谷「上鳴くん!おはよう!」
階段から降りてきた上鳴くんと挨拶を交わした時、どこか安心した。
いつもと違う反応の麗日さんを見て、ちょっと不安だったらしい。
上鳴「ちょっとさ、朝練付き合えよ!」
緑谷「朝練!もちろんいいよ!」
あの上鳴くんが朝練なんて、珍しいこともあるんだな..
なんて失礼なこと考えたのは許して欲しい。
上鳴「んじゃそこ立ってて」
移動したのは共有スペースの角。
八百万さんの協力があったのか、防電気のシートが張り巡らされていた。
緑谷「うん!」
上鳴「んじゃ絶対動くんじゃねぇぞ?」
上鳴くんのその一言を最後に、僕の体にものすごく強い衝撃が走った。
痛い
痺れる
痛い
手足が動かない
痛い
痛い
目がチカチカする
痛い
痛い
体の感覚がもうない
痛い
痛い
痛い
個性を使って逃げる?でも動くなって..
痛い
痛い
痛い
何かの訓練?こと後の対処が本題?
痛い
痛い
痛い
痛い
何か言ってるの?何がしたいの?
痛い
痛い
いたい
いたい
あたまが、はたらかない
いたい
いたい
いたい
いたい
いたい
いたいよ、いたいよ
上鳴「へばるの早、朝練になんねぇわ」
かみなりくんは、そういいのこして
どこかへいってしまった
ぼくをおいて…。
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あれから、何十分、何時間か経過した。
たまに誰かがすれ違う気配がしたのに、誰も僕を心配しなかった。
共有スペースの地面に倒れていた僕に、誰も声をかけてくれなかった。
緑谷「上鳴くん、なんでこんなことしたんだろう」
頭が動くようになってからずっと考えてた。
何酷いことをしてしまったのかも
嫌われてしまったのかもしれない。
….もともと、嫌われていたのかもしれない
個性があるからって、僕が僕であることに変わりは無い。
クソナードのデク。
・・・いや、違う。
僕が僕を信じるんじゃない。
みんなを信じなきゃだよね。
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緑谷「すみません、遅刻しました!」
体の痺れが無くなり、教室へと足を運んだ。
今は一限が終わり、二限が始まる5分前。
遅刻自体が初めてだったから変な感じだ。
相澤「ん、」
あれ、なんだか相澤先生も変だ。
いつもなら「除籍されたいのか?」とか
「次は無いと思え」とか言われるのに..
いや、それも酷いけど。
緑谷「..なんかしちゃったのかなぁ」
最近変わったことと言っても、心当たりがない。
寮生活になったこともあって、みんなと関わる機会は増えた。
学校で何かおかしなことをしちゃったのかな
飯田「やはり問題児、か」
飯田くんがすごく呆れたような目を向けている。
神野事件を思い起こす。
緑谷「ごめんね!次は無いよう努めます..」
飯田「いや、君はしょうがないだろうな」
飯田くんがどこかへいってしまった。
僕、やっぱりなにかしちゃったんだ..。
緑谷「ねぇ、轟くん..ちょっといい?」
轟「話しかけんな」
軽蔑するような顔でそう言われたら、誰だって気づくさ。
僕は轟くんに、いや..
みんなに嫌われたらしい。
緑谷「あ..うん、ごめんね」
轟「・・・飯田、明日の訓練なんだが」
あの優しい轟くんと、真面目な飯田くんがここまで嫌うのだ。
きっと僕はそうとう酷いことをしたんだ。
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あれから1週間の時が過ぎた。
最初は避けるだけ、陰口を言うだけだったけど
段々とエスカレートしていった。
僕の精神は限界だ。
芦戸「うっわキモー!」
バシャン、と音がなるほどの酸。
酸を浴びた肌は剥がれて消えた。
峰田「そこから動くんじゃねぇーぞ!」
個性で廊下に固定。
通り過ぎていく普通科の生徒や先生は
誰も声をかけてくれなかった。
瀬呂「まじで邪魔」
演習場の岩に固定。
さらに口や鼻をテープで塞がれて、呼吸ができず、気を失った。
切島「男らしくねぇんだよな、お前」
拳で何発も、お腹を殴られた。
今でもアザは大きく残ってる。
相澤「..」
戦闘訓練中に個性が消えた
そのせいでビルの3階から地面に落下。
頭の打ちどころが悪く、感情部分に後遺症が残るらしい。
最近、オールマイトの様子もおかしくなってきた。
最初は親身になって話しを聞いてくれているように見えたが、違ったらしい。
毎回のように
「あれ、なんの話しだっけ」
と言っていたのもおかしかった。
でも最近は
「ならONEFORALLを返したらどうだ?」
と勧めてくる。
僕は誰を頼ればいい?
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緑谷「……」
あの日から、3週間が過ぎた。
体じゅうが痛いのに、痛くない。
心がチクチクと痛むのに、痛くない。
轟「邪魔だ」
今では自分が間違っていたことを理解した。
悪いのは全て僕だ。
相澤「できないのならやるな」
邪魔なのも先生にこう言われちゃうのも、
僕が悪いんだ。
けど、嫌い始めた原因は分かってない。
上鳴「へへ、」
最近では毎朝、上鳴くんや芦戸さんの個性訓練に付き合っている。
2人の実力が伸びたらいいな。
そんな時、僕は1度、外出届けを出した。
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緑谷「…」
なんで、みんなは僕が嫌いになったんだろう
もともと嫌いだったのを、隠してた?
嫌いだったのかな..初めから…。
「ーー!」
「ーーー!」
「ーー!ー!」
大きな話し声が聞こえる。
いいな
僕もみんなと、遊びたいな
僕は、みんなと..一緒にいたかったな。
「ー、まって!ボール!」
小さな女の子が走っている。
赤い信号。
転がるボール。
走ってくるトラック。
『ヒーローはみなこう言う。』
『考えるより先に』
緑谷(体が動いてたって!!)
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麗日「..あ、れ….なに、これ」
目からボロボロと涙が出てくる。
なんやねん、この記憶**。**
私こんなことした覚えないし、するわけが無い。
なのに、この手が、それを事実だと私に訴えている。
麗日「いやっ私..なんてこと…」
私はこの手で、デクくんを浮かした。
浮かして、落とした..
それを見て笑ったんだ。
他にもデクくんの筆箱やシャーペンを浮かして使えなくしたいり、色々…。
麗日「私、最低や」
こんなことして、何がヒーロー志望や
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
轟「..嘘だ、俺は..こんなこと」
全身が、氷を纏ったかのように冷たい
この手が、憎い。
俺は、緑谷の..親友の腹と顔を焼いた。
焼いた。
焼いたんだ。
その後、氷に漬けた。
緑谷の体が動かなくなるまで、ずっと。
轟「..嘘だって..思いてぇよ」
あれから各自、クラスのヤツらも自分のしてしまったことを自覚して言った。
特に酷いのは意外にも上鳴だったらしい。
上鳴「俺、緑谷を..電気で..っおえ”ッ」
もともと自分の個性で人を傷つけることにトラウマがあったらしい。
堪えるのも無理は無いか。
相澤「お前ら、覚えてるんだな?」
覚えてるのか?ではなく確信を着いた言葉。
相澤先生もなかなかに酷いことをしていたんだったな。
相澤「緑谷の件で、外出届けが出ていた」
飯田「緑谷くんはどこに..?」
相澤「…..お前ら、心して聞け」
ゴクン、誰かの息を飲む音が聞こえた。
俺の心臓も、バクバクと波を立てていた。
相澤「緑谷出久は今日、亡くなった。」
緑谷が亡くなった
緑谷が死んだ
俺のせいか
俺のせいなんだな
轟「….」
あれから、先生が何を言ったのか
みんながどんな反応をしたのか
全く覚えていない。
そもそも見ていなかったのかもしれない
俺は緑谷に会いにいく。
会って謝る。
んで、もう1回友達になれるか聞く。
轟「今、行くぞ」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
轟くんと麗日くんが亡くなった。
そして上鳴くんは心の病が故に休養中。
いつの間にか、クラスの4人が欠けていた。
あとから聞いた話、俺たちA組は個性を受けていたらしい。
『サイレンズ』という個性。
個性をかけた言葉どうりの行動をさせるという、洗脳型の個性だった。
そして彼の死因は事故死。
ボールを追いかけ道路に飛び出した少女を庇ったそうだ。
緑谷くんは最期までヒーローだったのだ。
俺は委員長として、彼に謝らなくてはならないと思う。
だがその反面、彼は俺がヒーローとなる事を望むだろうと思っている。
だから俺は償う。
プロヒーローとなって、迷子の手を導く。
「3人とも、俺を見ていてくれ」