3 心羽said
小3の9月頃だったかな。
「大丈夫?」
そう声をかけてきたのは、同じクラスの玲央だった。
さかのぼるほど、15分前ー
「鬼ごっこしよーぜー」
クラスの男子達が言っていたから、私は
走るのも好きなので、参加することにした。
「鬼きめージャス!1、2、3、4、5…」
全員で、15人前後の人数で鬼きめをして、
結果
「玲央と大知が鬼なー」
となった。逃げていると私は見つかりやすいのか、
すぐに見つかってしまう。
そして、今回は玲央に見つかってしまった。
玲央は学年の中でもトップクラスで速いので、
必死に逃げていると、
ズテッ!
転んでしまい、尻もちついてしまった。
「痛っ!」
そう言うと、玲央も心配そうな顔をして、
「大丈夫?」
と聞いてきた。
本当は保健室に行きたかったけど、
凄く心配してそうだから。
「大丈夫、大丈夫!よくあることだから。」
苦笑いしちゃった。気づかれてないといいな、なんて思っていると。
その思いとは逆に。でも、嬉しい言葉を玲央は言った。
「いいや。大丈夫ではないよね。すり傷あるし。
みんなに言っとくから洗ってきな。」
この言葉。凄く優しいんだなぁ。って思った。
私がバレてほしくないのもわかっているのか。
理由も、すり傷ってことにしてくれたし。
っていうか。お尻が痛すぎて気づかなかったけど、すり傷あったんだ。
洗いにいこー。
ーその頃の玲央は…
「みんなー!心羽、怪我してたから。保健室に連れていってくるねー。
俺の代わりの鬼、誰かやっといてー」
と言ってくれてた。
そして、
心羽のところに来て、
「洗えた?」
「うん」
「じゃ、保健室に行こう」
「ありがとう!優しいんだね」
「普通だよ。」
という会話をしていた。
本当に優しいんだなぁー。この会話をしている時。
私は胸がドキドキしていた。また、仲良くなりたいなぁ。って、
「ほら、ついたよ。靴脱いで、」
このまま、玲央は上がるのかな?
お尻のことも言いたいからあんまりいて欲しくないんだよなぁ。
優しくしてくれているから、なんとも言えないけど。
「うん!」
「先生ぇー!心羽が怪我していたので、連れてきましたー!あとはお願いしまーす」
「玲央君ー、ありがとねー!」
「はい!」
そう言って、何事もなかったように玲央は帰っていった。
まるで、私の心をよんだかのように。
「でー?心羽さんは、何があったの?」
「えーっとですね〜鬼ごっこをして〜」
事情を伝え、手当や、お尻を見てもらうと、赤くなってたらしい。
来てよかったって思うのと同時に後で、お礼を言わなきゃな、っておもった。
「ありがとうございましたー!」
「次からは気をつけてね〜」
「はーい、」
てくてくてくてく
「先生ぇー、戻りましたー!」
「大丈夫でしたか?」
「はい!」
「じゃあ、席に座ってください。」
ふぅ〜。あっ!お礼言おう!
玲央は右隣なので、いうことができた。
「玲央!さっきはありがとう!ニコッ」
「大丈夫だった?」
「うん!」
「よかったニコッ」
「うん!」
なんて、普通に話したけど、内心ドキドキしていた。
これを機に私は、玲央のことを目で追うようになっていた。
それから、1ヶ月ほど経ってわかったのは、玲央のことが
私は、
”好き″ってことが。
そして、4年生のクラス替え。運悪く私は
玲央とクラスが分かれてしまっていた。
その4年生の間も私は、ずっと好きだった。
けど…
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