(前話の続きです。)
「そういえば宝石様が居なくなるとこの屋敷は緑緑様と推様しかほとんどいませんねぇ。」とグアンの圧のある笑顔を見て思い出す。
緑緑は本を机に置く。「そうなりますね。」
「これだと、縁談が多く来そうですぅ。」
「しかし、私は人前に出たことないですよ。だから縁談なんて来ません。」
「ふふ。でも宝石様が奥手な方がいると茶会で言いふらしていましたよ。ふふふ。」
「そうですよぉ。いい旦那さんが今年中にできるかもしないですねぇ。」とグアンを見て言う。
「はぁ。どうせ金か血か位の問題でわざわざ結婚するなんて。意味が分からない。」と本を引き出しまで持って行き、入れる。
「そう言わずにぃ。あっじゃぁ、緑緑様の好みは何ですぅ。」
「好みか、、、。そうですね、、お家の事や政治の事に関係ない人、優秀な人ですかね。」と椅子に座って頬杖ながら言う。
「そうなんですかぁ。例えばなんですけどグアンはどうでしょうかぁ。」
「そうですね、、、いいのではないでしょうか。」
「ふふ。そうですか。では、、。」とグアンは緑緑の前でひざまつい手緑緑の手を持つ。
「結婚してください。」とグアンはにこにこと微笑む。
「はぁ。揶揄るのはやめてください。もうこの話は終わりにしましょう。」と緑緑は照れというより呆れていた。
「それは残念ですね。」とグアンはくすくすと笑う。
「残念ですねぇ。義妹になって欲しかったですぅ。」とユンはしくしくと泣くような素振りをする。
「あいにく、私は結婚より刺繍をしたいですから。」
「なんでですぅ?」とユンは首を傾げる。
「刺繍は、、、好きですから。」
「そうだったんですねぇ。」
緑緑の部屋に夕焼けの赤く染った光が入る。暗くなり見づらいと緑緑は火折子(火をつける物)を引き出しから取り出し、火折子で火をつける。そして、ロウソクにつける。火折子についていた火をフッと息をかけ、消す。
「火は明るいですねぇ。」
「そうですね。」
この2人はいつも火をつけているというのにどうしたんだ。
「、、、まぁ、私の未来も明るいといいけど、、、」と緑緑は独り言を言った。
(明日はできないかも、、、。出来たら投稿します。)