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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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頬は乾いてもまた涙で濡れ、少し痛みが走る。今、第2理科室の中にいるのは2人だけ。

「先輩…お願いです。付き合ってください。」

紗奈の声帯は震え、声にならない呻き声が小さく出る。

「いや…です…私、帰りたい…。」

涙を拭くことさえ忘れ、どうにか家に帰ることしか考えていない。別のことを考える余裕など無いのだ。

「は?」

急に低音の声が耳に向かって怒鳴る。

「なんで俺が好きだって言ってるのにっ!!ずっと好きだって言ってるじゃないですか…っっ!!」

紗奈はギュッと自分の体を抱え込むようにしゃがみながら、

「ごめんなさい…ごめんなさいっ…。」

というしか無かった。これ以上余計なことを言ったら、逆上してしまうかもしれない。

すると、耳に翔の吐息がかかり、背筋が凍る。

「紗奈先輩…。」

途端、紗奈はまた腕を掴まれ、バタンッと鈍い音を立てて投げられた。

「あっ…っう…。」

起こったことに理解が追いつかない。紗奈は今、仰向けになっている。すぐに翔が紗奈のお腹の上に乗り、逃げられないようにする。

「はっ…はっ、くる…しっ…!」

元々細かったお腹も、翔の体重が乗ったことで締められ、呼吸困難に陥る 。

「紗奈先輩…。いや…紗奈。すっごい良いですよ、その顔…。」

と言われ、顔が歪む。


するっ


「あっ…!!いやぁっ!やだっやめて!!」

服の上から、胸を触られた。今までだって誰にも触られることは無かった。ましてや同意もないのに。

心臓はズキズキと痛み、味わったことの無い屈辱を感じる。

グッと翔の足が、紗奈のスカートを捲り、足と足の間に押し付けられる。翔の瞳は窓から入る光を帯びて、ゆらりと揺れる。

翔の手は胸から移動した。

瞬間、シャツのボタンが飛んだ。

「あ…っ!」

翔は紗奈のシャツを上から力任せに引き裂いたのだ。

「やめっ……っ!」

紗奈は横に体を捻ろうと藻掻くが、抵抗も虚しく終わる。耳から入る言葉は全て汚らわしくて、耐えられない。

さらけ出した胸にそっと手が触れられ、下着の下に入り込む。

「紗奈先輩、紗奈…っ。」

翔の姿勢は前かがみになり、顔は互いの鼻が触れ合うほど近い。

「…最後です。最後のチャンスをあげます。…付き合ってください。」

紗奈は目を細め、溜まっていた涙はぼろぼろと頬を伝った。

「……。」

紗奈は言葉を発せない。喉の奥から漏れ出そうになる嗚咽をどうにか堪え、掠れた声で言った。

「…はい…。」

紗奈は手で顔を隠して、必死に訴えた。

「…はいっ…はい…。お願い、分かったからっ…やめて…。」

目の前にある顔は、紗奈の返事を聞くと、いきなりニカッと笑った。

「分かりました。…正直惜しいですけど、また今度…。」

紗奈の谷間に1度顔を埋めて、すうっと深く息を吸って、翔は紗奈の上から動いた。

紗奈は素早く体を起こし、破られたシャツを手で繋ぎ合わせた。

「俺、先行きますけど、ちゃんと服は綺麗に直して出てください。」

横目で翔を見ると、真横に翔の顔が来て、

「もしもですよ。」

紗奈の喉に手が伸ばされた。ごくりと唾を飲み込むと、翔の手に振動が伝わる。

「俺以外の男に、その乱れた姿を見られたら、今度こそ…やりますから。」

背中からブルっと悪寒が走る。

「ああ、もちろん、同意はいらないですよね。」


紗奈に…紗奈にどうしろと。

また、小さく、消えそうな声で言った。


「…はい…。」

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